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建通新聞社(中部)
2016/11/11

【三重】リニアインパクトの最大化など14項目を国に要望 三重県

 三重県は、国の2017年度予算の確保に向けて、生産性向上による成長力の強化に資する社会資本整備の推進など14項目を「国への要望」として公表した。11月7、8日に、県知事らが関係府省庁などに対し、県の必要な施策として要望活動を行った。
 社会資本整備の推進では、東海環状自動車道の整備推進、熊野尾鷲道路(U期)の開通見通しの公表などを盛り込んだ。
 建設関連の主な項目の内容は次の通り。
〈リニア中央新幹線の三重・奈良ルートと駅位置の早期確定によるリニアインパクトの最大化〉
 ▽三重・奈良ルートおよび駅位置を早期に確定し、円滑な工事着手につなげるため、速やかに名古屋・大阪間の環境影響評価手続きに着手すること▽リニア中間駅を核とした広域交通ネットワークの構築や駅周辺のまちづくりの整備など、リニアインパクトが最大化し、地方創生に資する取り組みへの支援策を検討すること
〈農業の競争力強化および安全・安心な農村づくりに資する農業農村整備事業の推進〉
 ▽国営事業により、基幹水利施設として整備された中勢用水、青蓮寺用水、宮川用水が、築造から30〜50年が経過し、老朽介した施設もあり、機能保全や更新整備を行う国営施設機能保全事業、国営施設応急対策事業を着実に推進すること
 ▽国営かんがい排水事業で造成した安濃ダム(中勢用水)では、堆積土砂が15年度には168万立方bと、計画堆砂量の66万立方bの2倍超えとなっていることから、早急な堆砂対策の事業化を検討すること
 ▽農業用ため池・排水機場などの老朽化・耐震対策などを行う農村地域防災減災事業を早急に進めること―など
〈「生産性向上による成長力の強化」に資する社会資本整備の推進〉
◇北勢地域
 ▽東海環状自動車道〈西回り区間〉の整備推進、開通見通しの早期公表▽新名神高速道路を一日も早く全線開通すること▽国道1号北勢バイパス(BP)の整備推進、開通見通しを早期公表すること▽国道1号の桑名東部拡幅〈伊勢大橋架け替え〉の整備推進▽四日市インターアクセス道路〈四日市湯の山道路〉の整備に必要な予算を確保すること
◇中勢地域
 ▽鈴鹿四日市道路を17年度に新規事業化すること▽国道23号中勢BPの整備推進、開通見通しの早期公表、既開通区間の渋滞緩和対策を推進すること▽国道42号松阪多気BPの整備推進
◇伊賀地域
 ▽名神名阪連絡道路の国による直轄調査を推進すること
◇伊勢志摩地域
 ▽伊勢志摩連絡道路の整備推進に必要な予算を確保すること
◇東紀州地域
 ▽熊野尾鷲道路〈U期〉の開通見通しの早期公表▽熊野道路、新宮紀宝道路の整備推進▽熊野インターチェンジ(IC)〜紀宝IC間の未事業化区間(延長約16`)を17年度に新規事業化すること
〈「国民の安全・安心の確保」に資する社会資本整備の推進〉
 ▽木曽三川、鈴鹿川、雲出川、櫛田川、宮川の直轄河川改修事業を推進すること▽川上ダムについて、17年度の本体着工と、22年度の工期までに一日も早く完成すること▽木津川・服部川・柘植川の直轄河川改修事業を推進すること▽鳥羽河内ダムの工事用道路に着手するための必要な予算を確保すること▽七里御浜海岸における侵食対策について、人工リーフなどの残事業に約1084億円が見込まれることから直轄事業化すること▽熊野川について、直轄河川改修事業を推進すること。同河川の中上流部の堆積土砂や濁水の課題を解決するため、国による一元的な管理の下、総合的な治水対策を実施すること
 ▽下水道事業について、流域下水道整備のうち、南部浄化センターでは耐津波性能を有する第2期整備事業を進める必要があること、志登茂川浄化センターでは、18年4月の供用開始に向けた整備が必要であること、宮川流域下水道では、早期供用が求められていることから、整備に必要な予算を確保すること
 ▽防災・減災対策として進める土砂災害警戒区域の指定について、19年度までに基礎調査を完了させることとしているが、17〜19年度の3年間に約20億円が必要であること
 ▽南海トラフを震源とする地震に対して、堤防の耐震対策や強靱(きょうじん)化を図る必要がある。堤防の耐震対策では、長島地区海岸他2地区で延長約1・1`を整備する。強靱化対策では、鵜方浦地区海岸他13地区で延長約2・5`を整備する
 ▽木造住宅および耐震診断が義務付けられた建築物の耐震化に向けて、三重県建築物耐震改修促進計画などで取り組み目標を定めており、目標達成のためには耐震化事業に係る予算が必要であること
 ▽21年開催の「三重とこわか国体」のセーリング競技の会場として予定される津地区を含む周辺の直轄海岸事業を強力に推進すること―など
〈「地域の活性化と豊かな暮らしの実現」に資する社会資本整備の推進〉
 ▽国営木曽三川公園(桑名七里の渡し公園)について、15年度に一部開園したが、早期に全面開園すること▽近鉄名古屋線(川原町駅付近)連続立体交差事業について、駅周辺の道路整備などの推進に必要な予算を確保すること
 ▽「三重とこわか国体」の会場となる県営五十鈴公園内の陸上競技場、四日市市営中央緑地内の体育館改修に必要な予算を確保すること
〈物流生産性向上に向けた四日市港の物流機能強化〉
 ▽臨港道路霞4号幹線の17年度完成に向けて、直轄港湾改修費の予算確保を図ること

提供:建通新聞社