日刊建設工業新聞
2016/11/07
【鳥取】鳥取県中部地震 石井啓一国交大臣が現地視察
石井啓一国土交通大臣は3日、鳥取県中部を震源に最大震度6弱を観測した地震被害を視察した。北栄町など建物被害を確認後、石井大臣は「被災した方々に寄り添いながら、政府として一刻も早く日常生活を取り戻せるよう全力で取り組む」と述べた。また、公共土木施設の復旧に向けた災害査定では、査定の簡素化を検討していると説明した。
先月21日の地震発生以来、県中部地区では宿泊施設のキャンセルが1万3000件を超えるなど、深刻な風評被害に見舞われている。石井大臣は「風評被害の防止が急務」とし、鳥取県の魅力発信を国内外向けにプロモーションする考えを示した。
三朝町では石井大臣を囲んで、平井伸治知事や県中部の1市4町長、観光関係者が意見交換。平井知事は「家屋や文化財に大きな被害が生じている。傷ついたカ所を直さなければならない。災害査定を早めにし、国交省の力で1日も早く復興を後押ししてほしい」と要請した。倉吉市の石田耕太郎市長も財政支援などを求め、観光関係者は風評被害の解消を次々に訴えた。
石井大臣は「幸い人的被害は少なく、一部損壊の建物が非常に多いことを改めて実感した。ホテル・旅館は通常に営業しており、情報を正確に発信することが大事。鳥取の魅力発信キャンペーンをやって風評被害を払拭していく」と力を込めた。
12月の災害査定では「手続きを簡素化したい」と話し、机上査定の上限300万円未満の引き上げや書類づくりの簡素化を検討していると説明。「査定官を集中投入し早めに対応する」と述べた。
また「査定前であっても早急対応が必要であれば、応急工事をやってもらって結構」とも語り、被災直後の写真を確認できれば着工可能とした。
意見交換を前に、石井大臣は北栄町由良宿の住宅被害、倉吉市では小鴨川護岸の被災現場や観光名所・白壁土蔵群の外壁被害、三朝町は三徳山・三佛寺と温泉街を視察。倉吉市内の成徳小学校避難所を慰問した際には、避難住民から直接、話を聞いて励ました。