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建通新聞社四国
2016/11/04

【高知】高知県の新たな管理型産廃最終処分場 被覆型を適当

 「高知県における今後の管理型産業廃棄物最終処分のあり方に関する基本構想検討委員会」の第4回会合が10月31日、高知市内のホテルで開かれ、事務局を務める高知県林業振興・環境部は、前回の会合で公共関与による整備が必要とした新たな管理型産業廃棄物最終処分場の施設構成について被覆型処分場を適当とし、埋め立て期間を20年間、容量を最大で現在のエコサイクルセンターの2倍とする案を示した。
 施設構成については、屋根などがないオープン型と、屋根などで上部を覆う被覆型で検討、降水量の多い高知県ではオープン型を整備した場合、大規模な浸出水施設となり敷地面積が多く必要であり、被覆型とした場合は廃棄物の飛散や悪臭の発散、鳥獣対策が不要であることを考慮し被覆型処分場が適当であるとした。
 施設規模については、埋め立て期間を現在のエコサイクルセンターの計画期間、耐用年数、他県の事例を参考に20年間とした。なおエコサイクルセンターの埋め立て容量は2022年9月には満杯になると想定されていることから、新しい施設は同年10月から42年9月までの期間で検討している。埋め立て容量については、最大で現施設の約2倍となる約16万8000〜23万2000立方bで検討する。
 中間処理施設の併設はしない方向とし、処理水の放流方法については、無放流または下水道放流が適当とした。
 候補地選定の方式についても検討した。選定に必要な調査や資料作成は、膨大な情報処理や地形などの条件を専門的に判断する知識、技術力が必要であるとの認識を示し、コンサルタントを活用するとした。候補地選定は、選定過程の透明性や客観性を確保することが重要であることから委員会方式を採用する。
 また現在のエコサイクルセンターの延命化策について、さまざまな方法の実施可能性を検討した。嵩上げによる施設の拡張は工夫すればできるのでは、という意見もあったが、県は「地元への説明が必要」との認識を示し、慎重な姿勢をみせた。
 これらの意見を踏まえて、次回会合で最終報告案をまとめ、議会や県民からのパブリックコメントを踏まえ、マスタープランを策定する。
 この検討委員会は、岡山大学教授の藤原健史氏を委員長とし、産学官から選出された委員7人で構成、事務局は高知県林業振興・環境部が務めている。日高村本村に11年10月開業したエコサイクルセンターが、想定の倍の速度で搬入が進み、満杯の時期が早まることから、新たな管理型産業廃棄物最終処分の在り方について、基本構想の検討が進められている。

提供:建通新聞社