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建通新聞社四国
2016/11/04

【徳島】徳島市中心市街地活性策 次回で提言まとめ

新町西地区再開発事業からの白紙撤回に伴い、徳島市が発足した中心市街地活性化推進本部の諮問機関の一つ、中心市街地の活性化を議論する有識者会議(委員長・奥嶋政嗣徳島大学大学院准教授)の第3回会合が10月31日、徳島市内で開かれた。前回会合で市が示した新町西地区再開発事業に代わる四つの活性化案をたたき台にした目指すべきまちづくり案などについて議論した。次回会合で提言をまとめる考え。
 当日の会議では、中心市街地のまちづくりの方向性、新町西地区のまちづくりの方向性−などについて、市があらかじめ用意した項目に委員の意見を求める形で議論。
 中心市街地のまちづくりの方向性について、市は基本方針に「来街者(交流人口)の増加」と「街なか居住(定住人口)の推進」を併記している。一方、市が示した新町西地区の新たなまちづくり4案はもともとこの交流人口と定住人口のいずれかに重点を置いた案となっていた点もあり、委員の意見はこの二つに分かれた他、「新町西地区以外のことも考え、全体として両方を求めるべき」といった意見もあった。また、キーワードとして挙げている「自動車に頼らない『歩いて楽しむまち』」などについては、「水上移動や歩行者天国などの考えも入れるべき」といった意見があった。
 新たな4案は、市が中心市街地活性化の基本方針に掲げる「交流人口の増加」と「定住人口の推進」の観点で立案。交流人口の増加を目指す案として、商業や業務を中心とした主に地区外から人を呼び込むA案(商業・業務施設など)と、ホテルを核に、業務や教育を中心とした地区外から人を呼び込むB案(ホテル+A案)。また、定住人口の拡大を目指す案として、共同住宅の整備を中心とした新たな街なかに住んでみたいと思う人を呼び込むC案(共同住宅・商業・業務・公共施設など)と、元気な高齢者と子育て世代がともに暮らし、新たなコミュニティーの形成を目指すD案(C案の共同住宅を子育て世代と高齢者向けに特化した案)を示していた。
 委員からは「いずれの案も実現は難しい」としながらも「今ある資源を最大限利活用し、できるだけ低予算で進めるべき」という意見ではほぼ一致した。また、「鉄道高架事業を含め県との協調を前提に、音楽・芸術ホールの整備やJR徳島駅北の連絡も視野に、まちづくりを進める必要がある」という意見もあった。
 また、当日の会議で市は、ひょうたん島ネットワーク構想や眉山山頂整備事業、シンボルゾーン等光環境整備事業といった再開発事業と一体的に進めてきた事業の今後の在り方なども議論。ひょうたん島ネットワーク構想については、駅には駅長や飲食店、トイレが必要とし、整備予定箇所についても新町橋を除いた3カ所(助任、文化公園前、万代中央ふ頭)の整備よりも、利用するには後背地が重要との考えから「イオンモールができる南末広やアスティとくしま前、県庁前を優先的に整備すべき」といった意見があった。
 この他、眉山山頂整備事業については、展望台の新設よりも既設の展望休憩施設の改修内容を変更し対応する案や眉山公園全体にアートオブジェや鑑賞用の植樹を施し、にぎわいを創出する案などを支持。歩いて登れる遊歩道の必要性や頂上までの道中が楽しめる仕組みづくりなどを求める意見があった。
 次回会合は11日に開催。これまでの委員からの意見を整理し提言案をまとめる予定。順調なら11月中に市へ提言することにしている。

提供:建通新聞社