「セーフシティ・ダイバーシティ・スマートシティ」を実現し、「新しい東京」を創り上げるため、今後4年間でどのような政策を展開するのか―。東京都は10月25日、「2020年に向けた実行プラン」の策定会議の初会合を開き、安全・安心で元気な都市、誰もが活躍できる都市、環境先進・国際金融都市をつくり出すための具体的な施策について検討を始めた。年末までにプランを策定する考えだ。
小池百合子知事は、実行プランを「激しい都市間競争を勝ち抜き、日本経済の先導役として成長を続け、2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会を成長に導くための土台となるものだ」と説明。東京の未来への道筋を明確化するため、これまでの延長線ではなく新規性・先進性を持つ政策を積極的に立案することとし、オール都庁体制で都民の共感を得られるプランづくりを進めていくよう指示した。
初会合では、新しい東京の姿として@誰もが安心して暮らし、希望と活力を持てる東京A成長を生み続けるサスティナブルな東京B日本の成長エンジンとして世界の中で輝く東京―を目指すことを確認。
「セーフシティ」については、建築物の耐震化・不燃化や無電柱化、災害対応力の強化、豪雨・土砂災害対策、都市インフラの安全性向上、テロ・治安対策、多摩・島しょの振興などに向けた施策を盛り込む。
「ダイバーシティ」を実現するための施策では、子供・子育てや高齢者の支援、医療・健康、障害者支援、若者・女性・高齢者の活躍、ユニバーサルデザインのまちづくりにつながる政策を打ち出す。
「スマートシティ」として環境先進・国際金融都市を創り上げるため、省エネ・再生可能エネルギーの導入やヒートアイランド対策、水・大気環境の改善、緑の創出・保全、国際金融・ビジネス環境の整備、中小企業振興、交通物流、都市再生、景観形成などに関する施策を検討する。
会議後に会見に応じた小池知事は、「セーフシティについては20年までに東京を安全・安心なまちにするための方策を、スマートシティでは経済の活性化や観光文化、交通ネットワークの在り方を中心に意見を交換した。都が20年までになすべき具体的な政策の検討を今後進め、(年内に取りまとめて)17年度予算に反映させる」と述べた。また、不燃化・耐震化を例に「道路を整備する際には沿道の皆さんの協力を得なければならない。個別の建物の耐震化や建て替えも必要だ。安全・安心なまちをつくるのは『あなたの問題』『地域の問題』という認識を持ってもらう必要がある」と話し、実行プランに盛り込む都の政策を都民に分かりやすく届くようにする意向も示した。
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建通新聞社