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建通新聞社(東京)
2016/11/01

【東京】立川市 新清掃工場はDBOでストーカ式

 立川市は、第6回新清掃工場整備基本計画検討委員会を10月26日に開き、事業方式を公設民営方式(DBO方式)、ごみ処理方式をストーカ式焼却とすることなどを示した。11月下旬に整備基本計画素案をまとめ、2017年2月下旬の第8回委員会で基本計画原案を報告する考え。基本計画策定業務は八千代エンジニヤリング総合事業本部(台東区)が担当。
 事業方式を決めるに当たり、一定の運転実績を持つ民間事業者にアンケート調査を実施し、▽公設公営方式▽公設民営方式(長期包括運営委託方式)▽公設民営方式(DBO方式)▽民設民営方式(PFI方式)―から事業への参入意欲を調査。いずれの方式も参入意欲があったが、先行事例やアンケートを踏まえ、各事業方式の比較検討を行った結果、最もメリットが多く費用の削減も見込める公設民営方式(DBO方式)を採用することとした。
 ごみ処理方式は、▽ストーカ式焼却▽流動床式焼却▽ストーカ式焼却+灰溶融方式▽シャフト炉式ガス化溶融方式▽流動床式ガス化溶融方式▽ストーカ式焼却+メタンガス化―の六つから検討。実績の多いメーカーへ技術提案を依頼した結果、回答を得られたのはストーカ式焼却のみだった。回答理由は「日本で最も多くの自治体で採用され、処理システムがシンプルで安全性・安定性に優れている」などが挙げられた。このことからストーカ式焼却を選定する。
 また、検討委員会では防災機能と環境学習機能についても検討。防災機能では、大規模災害時に機能が損なわれないよう、建築物は耐震安全性の分類を構造体U類、重要度係数を1・25とする。建築非構造部材は耐震安全性「A類」を、建築設備は耐震安全性「甲類」を満足させる。
 プラント設備の耐震対策では、プラント機器は建築設備と同様に耐震安全性を甲類とする他、ボイラ支持鉄骨などプラント架構は火力発電所の耐震設計規定を適用して構造設計する。地震発生時に加速度250ガル(震度5弱程度)を計測した際には自動的に焼却炉を停止させる。
 施設は平常時に加えて停電時でも自立的に発電できる特色を生かし、避難所としてではなく災害時における「復旧活動展開の基礎となる施設」を基本的な方針として検討を重ねる。他の自治体などの派遣職員の応援受け入れ拠点や新施設内の職員用の浴室・シャワーの開放、簡易トイレの備蓄、災害対策用飲料貯水槽の設置、電気自動車の充電施設の設置、周辺の公共施設へのエネルギー供給などを想定する。
 環境学習機能では、清掃工場の役割やごみ処理体制、環境配慮などの取り組み方針をまとめた。工場の概要を映像で説明し、設備・機器を紹介するポイントでは説明パネルや実物大の図などを設置。プラットホームやごみピット・クレーンなど主要設備は実物を見学できるようにする。焼却炉内部はモニターで表示。体験型学習設備を多く取り入れ、子どもに興味を持たせる考え。ごみ発電や太陽光・風力発電で地球環境に配慮し、排ガス中の有害物質濃度結果は公害監視盤で表示する。
 全体のスケジュールは、16年度末まで整備基本計画策定に向けた検討を進め、用地取得手続きと生活環境影響調査を行う。17年度に都市計画決定に向けた検討を開始し、18年度中の都市計画決定を目指す。17年度から事業者の選定作業に入り、19年度上半期に事業者を決定。造成を含む建設工事に着手し、22年度中に完成、稼働させる。
 新清掃工場の施設規模は日量約130d。建設地は、立川基地跡地昭島地区土地区画整理事業の公的利用分の土地約1・3f。

提供:建通新聞社