石川県土木部営繕課は31日、金沢市出羽町地内「東京国立近代美術館工芸館移転整備事業基本設計委託」を開札し、1850万円で応札した山岸建築設計事務所に落札が決まった。予定価格は2125万円だった。
同委託業務は、東京国立近代美術館工芸館(東京都千代田区北の丸公園1番1号)について、県と金沢市が協力して県立美術館周辺「本多の森地区」に移転、整備するための基本設計を行う。
建設規模はRC造一部W造地上2階、地下1階建てで、延べ床面積約2500平方メートル。主要施設(予定室)は展示室、収蔵室のほか、事務室(展示受付)、資料室ライブラリー、ミュージアムショップ、カフェ、事務室、会議室、倉庫、男女・多目的トイレ、地下機械室など。建設地は県立美術館といしかわ赤レンガミュージアムの間の敷地(県庁出羽町分室・旧藩老本多収蔵品跡地)。
履行期間は17年3月28日まで。
設計に関する注意点として、県所有「旧陸軍金沢偕行社」及び「旧陸軍第九師団司令部庁舎」を活用した整備計画とし、偕行社は過去に解体撤去された講堂部分、司令部庁舎は同様に両翼部分を復元する。このほか、周囲の景観に配慮するとともに、前面部における外構計画や、偕行社及び司令部庁舎の両跡地の活用も検討。イニシャル・ランニングコストの低減に配慮しつつ、使用上、管理上も機能的で使いやすい施設とすることや、展示室の仕様は美術館仕様と同等とすることを求めている。
なお、工芸館移転整備に伴う建物整備費は、概算で30〜35億円程度を想定している。