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建設新聞社
2016/10/31

【東北・宮城】藤本壮介建築設計事務所が最優秀/宮城県石巻市の複合文化施設基本設計プロポ

 宮城県石巻市は、公募型プロポーザルにより受託者選定を進めていた複合文化施設の基本設計について、藤本壮介建築設計事務所(東京都新宿区)を最優秀者に選定した。今後、11月中の契約締結を目指す。
 プロポには28者が応募し、このうち▽藤本壮介建築設計事務所▽小泉アトリエ・RIA・ラムサJV▽エーエーティーヨコミゾマコト建築設計事務所▽三菱地所設計・佐藤尚巳建築研究所JV▽田井幹夫・佐野健太・構建築設計事務所JV―の5者が一次審査を通過。選定委員会からの指摘事項を通知した上で、10月16日に公開プレゼンテーションを行い審査した結果、藤本壮介建築設計事務所を最優秀者に、小泉アトリエJVを優秀者(次点)に選定した。
 複合文化施設は、東日本大震災の津波で使用不能になった文化センターと市民会館の機能を集約した施設として計画したもの。建設場所は同市開成1の8ほか地内の石巻トゥモロービジネスタウン内2万2322・2平方b。施設構成はホール・学習機能、博物館機能で構成し、災害時には多用途に利用できる施設とする。
 藤本壮介建築設計事務所の提案は、「つなぐ」をコンセプトに、旧北上川沿いの昭和初期の風景を意識した、東西に長く三角屋根が立ち並ぶ外観デザイン。東側から大ホール、楽屋機能、小ホール、生涯学習機能、博物館機能を配置し、施設機能ごとに屋根をかけ家に見立てることで、外からそれぞれの施設へのアクセスを分かりやすくしている。
 提案延べ床面積は1万3048平方b(▼ホール・生涯学習機能=7547平方b、▼博物館機能=2373平方b、▼共有・管理・その他機能=3128平方b)で、全体はS造が基本だが、ホールについては遮音性を確保するためS+RCまたはPC造なども可能としている。
 講評では、同社の提案は楽屋がほかの用途にも利用できる点や展示室構成の融通性、浸水被害を考慮し博物館収蔵庫の2階への配置、共用ロビーの利用方法などの観点から、総合的なバランスの良い魅力的な提案との評価を受けている。
 基本設計では、建築および外構工事に関する基本設計のほか、ワークショップ(5回程度)の実施、国庫補助申請等支援業務などを行う。予算限度額は1億3000万円程度(税込み)で、履行期限については2017年3月31日までとしているが、業務受託者と協議の上で決定する。なお、展示設計については今回の業務には含まず、現在、受託者選定に向けたプロポーザルの手続きを進めている。
 実施設計については基本設計受託者に随意契約で委託する方針。施設着工は18年度中を予定しており、20年度末の完成を目指す。

 提供:建設新聞社