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建通新聞社(中部)
2016/11/10

【三重】入札中止は214件 定期監査結果で明らかに

 三重県監査委員事務局は、2016年度定期監査の結果を公表した。15年度に執行した事業、事務などを監査したもので、重点監査事項のうち、15年度に執行された工事、物件などにおける入札中止状況では、県側の「事務処理誤り」により入札が中止された案件は214件になった。14年度と比べると1件増となった。この他、ため池の点検結果に基づく防災対策について計画的な整備を求めるなどの監査意見を明記した。
 入札中止については、12、13年度に実施した定期監査で監査した事業で入札中止が多数発生したことから、14年度の監査(13年度事業が対象)から全部局に対象を拡大しており、13年度に279件、14年度に213件となっていた。15年度は全公告件数9230件のうち、214件で発生し、発生率は2・3%だった。内訳を見ると、中止時期は、開札前が196件、開札後が18件。中止要因は、仕様書・公告書類の誤りが122件(構成率57%)、システム操作・入力誤りが51件(同24%)、積算誤りが30件(同14%)などとなった。
 部局別では、教育委員会が80件、県土整備部が28件、環境生活部が22件、農林水産部が20件、健康福祉部が19件など。
 また、各部への意見のうち、農林水産部の所管で、「農業用ため池の防災・減災対策」について、15年度までに市町が実施したため池の一斉点検の結果、決壊時に被害が想定される防災重点ため池が108カ所あったことを取り上げ、「ハード対策には多額の費用と年数が必要であるため、優先順位を付けて計画的に整備を進められたい」との意見を付した。
 県土整備部の所管では、「河川の堆積土砂対策」について、15年度末の堆積土砂が、前年度末から約33万立方b減少し、266万立方b(推計値)になったことを取り上げ、「農林水産部との連携をより一層密にし、引き続き着実に堆積土砂対策を進められたい」とした。「土砂災害警戒区域の指定」では、15年度末の指定率が39%と前年度末の28・9%より上昇し改善したものの、全国平均の79・6%を大きく下回っていることを取り上げ、「19年度末までに基礎調査を完了させることを目指しているが、引き続き、市町と連携しながら着実に区域指定を進められたい」とした。

提供:建通新聞社