三重県は、2017年度の当初予算編成に向けての基本的な考え方を明らかにした。「みえ県民力ビジョン」の第2次行動計画に掲げた目標の実現に向けて着実に推進することを基本方針とした。県議会予算決算常任委員会で県側が示した。
公共事業については緊急性・優先度を検討した上で、重点化を図りその総額を抑制するものとした。予算要求基準は、16年度当初予算額の55%が公共事業総合推進本部に示されることから、優先度などを考慮して見積もることとした。特定政策課題枠を設け、県の経営方針における「重点取り組みの考え方」に基づく施策は別に見積もるものとした。
みえ県民力ビジョンの項目に沿って、予算編成への考え方を示しており、このうち県土整備部が主担当となる「道路網・港湾整備の推進」を見ると、大規模地震などの自然災害に対しての安全・安心、地域経済を支える基盤としての高規格道路などの整備、県管理港湾の道路橋などの耐震化を進める考えを示した。
「道路網・港湾整備の推進」で示した予算編成の考え方は次の通り。
〈19年度末までの到達目標〉
主な項目の目標値を見ると、高規格幹線道路および直轄国道の新規供用延長は、16年度目標値が0・8`、17年度が1・9`、19年度が34・3`。県管理道路の新規供用延長は、16年度目標値が5・3`、17年度が18・2`、19年度が42・5`。県管理港湾における岸壁の更新・大規模修繕実施延長は、16年度目標値が192b、17年度が192b、19年度が240b。
〈現状と課題〉
現状として、高規格幹線道路の早期全線開通に向けて重点的に取り組んでいるが、依然としてミッシングリンクが残っていることなども踏まえ、高規格幹線道路などの開通見通しの早期公表や、未事業化区間の早期事業化を国などに働き掛ける。その他、21年開催の「三重とこわか国体」に向けた道路整備や大規模地震時の緊急輸送道路の確保のための橋梁の耐震対策などを課題とした。
〈予算編成への考え方〉
▽直轄国道などの整備―自然災害に対しての安全・安心、ポストサミットの取り組みなどを支えるとともに、三重国体の開催に向けて、新名神高速道路などの高規格幹線道路、北勢バイパスなどの直轄国道の整備推進を図る。鈴鹿四日市道路や近畿自動車道紀勢線の未事業化区間の早期事業化を推進する。
▽県管理道路の整備―道路ネットワークの形成を目指し、四日市湯の山道路、磯部バイパスなどの整備に努める。新たな道路ネットワークを形成する鈴鹿亀山道路、名神名阪連絡道路の事業化に向けて、国と連携して調査などを進める。
▽県管理港湾の機能の確保など―港湾の機能確保のために、津松阪港〈大口地区〉、宇治山田港で老朽化対策を進める。緊急輸送道路の機能を確保するため、長島港の江ノ浦大橋で耐震対策を進める。
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建通新聞社