徳島県は25日、2017年度予算の編成方針を示し、各部局に通知した。「新未来『創造』とくしま行動計画」や「vs東京『とくしま回帰』総合戦略」の実現に向けた施策を大胆に展開し、夢と希望あふれる新未来を創造するため、さらに進化した新次元の施策展開−など3項目を柱に予算を編成。3年以上の硬直化した事業を徹底的に掘り起こし、「一歩先の未来」を見据えた事業に転換させる他、「新未来創造事業枠」を10億円に拡充し、若手職員の発想力を積極的に活用した施策を推進する。11月4日に予算要求を締め切り、12月中旬からの財政課長査定を経て、来年1月中旬ごろに知事査定に入る。
17年度予算は、今後の社会経済情勢の変化や国の予算編成、地方財政対策の動向を的確に見極めながら通年の総合予算として編成。実質公債費比率が16・7%(16年比率)と、起債許可団体からはようやく脱却したものの、全国ワースト5位と依然厳しい状況で、一層の財政健全化が求められている。こうした中、山積する地域課題への対応や地方創生の旗手として県勢のさらなる飛躍が求められている。
編成に当たり@さらに進化した新次元の施策展開(新規)Aあらゆる歳出の大胆な「質の転換」(継続)B新たな歳入確保対策の推進(新規)−の3項目を推進する。@では、「新未来創造事業枠」を5億円から10億円(一般財源5億円)に設定。先駆性のある取り組みを徳島から発信し、地方創生のさらなる展開を目指す他、若手タスクフォースの発想力を積極的に活用した施策の創造などを求めていく。Aでは、歳出の中から歳入を生み出す取り組みの徹底を継続する他、3年以上を経過し硬直化した事業を徹底的に排除し、新たな発想による施策に転換させる。Bでは、国庫支出金や外部資金の活用、地方創生推進交付金の積極的獲得、企業版ふるさと納税のさらなる活用を推進することにしている。
財源は政策的経費を16年度当初予算の80%以内(3年以上の事業は80%以内、3年未満の事業は同年度予算並みに)に、維持補修費を同年度予算並みに、施設管理費を前年度予算以内に、一般管理費を同予算95%以内に設定(公共事業分を除く)する中で捻出することにしている。
同日の庁議で飯泉嘉門知事は「県財政は起債許可団体を脱却したものの、依然厳しい水準にあるが、地方創生の本格展開に向け、一歩進んだ新次元の予算としなければならない」とした上で、「職員には現場主義・県民視線の実践をもう一度申し渡したい。また、若手職員の柔軟な発想力を求めるなど、単に切るだけの予算でなく企画財政となる素晴らしい予算を作ってほしい」と要請した。順調なら予算案の発表は2月上旬になる見通し。
提供:建通新聞社