熊本県内の工業系高校4校の生徒を招いた現場見学会が25日にあった。熊本県建設業協会(橋口光コ会長)は熊本工業、熊本農業、開新の3校、玉名市の池田建設(池田新生社長)は玉名工業の生徒を案内した。いずれも学校で土木を学ぶ1年生。地域貢献を果たす地元建設業や最先端のICT技術を紹介し、土木の魅力を伝えた。
熊本県建設業協会は、「土木の日」関連事業として、青年部(緒方公一会長)が全面協力し、3校計約120人が参加した。
最近はイメージアップ事業として高校生の測量運動会(講習・実習)を行っていたが、今回は熊本地震の発生を受け、熊本広域大水害を含めた災害復旧工事現場を案内し、地域貢献を果たす地元建設業の役割を見てもらうことにした。
崩落した阿蘇大橋近くであった開会式で中川徹治土木委員長は「災害の爪痕は多く残っています。卒業後は是非土木業界の門を叩いて頂き、熊本の復興のため一緒に汗をかきましょう」と挨拶。午前中は、熊本地震で被災した南阿蘇村の南阿蘇大橋や阿蘇公園下野線を見学。午後からは、熊本広域大水害の被害状況や進ちょく状況の説明を受けた後、4班に分かれ、阿蘇市一の宮町三野地内の砂防堰堤建設現場を見て回った。
開新高校の村上諒さんは「現場の迫力に圧倒されました。将来は土木の仕事に就きたい」と話した。中島健教諭は「普段入れない現場を見ることができ、興味や関心を持っていたようだ。いい経験をさせて頂いた」と協会に感謝した。緒方会長は「今日の経験が進学や就職を選択する際の参考になれば」と話していた。
池田建設は、国土交通省菊池川河川事務所発注で同社が施工している竈門上流地区河道掘削その他工事の現場に39人を招いた。
2年前から玉工生を対象に実施しており、今回は、ICTを活用した最先端の土木技術に興味を持ってもらおうと企画した。
現場は九州地方整備局のICT土工活用工事として河川の掘削や盛土、法面整形が行われている。見学会では実際に使用しているブルドーザ、振動ローラー、バックホウを使い、マシンコントロール技術とマシンガイダンス技術を説明。コンピュータ制御で自動的に動く排土板や、ローラーで締め固めた回数が色分けして映し出されるモニター、バケットと断面との距離がリアルタイムに表示されるモニターを生徒は食い入るように見入っていた。
現場代理人の田上重富氏は「自動制御なのでオペレーターの負担や測量、トンボ、丁張りも減らせて正確・綺麗に施工できる素晴らしいシステムです。皆さんが従事される時はもっと進歩していますよ」とICT土工の魅力を呼びかけ。池田誠剛副社長は「興味・関心を深め、一人でも多く土木の道に進んでくれれば嬉しい」と期待していた。
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