日刊建設工業新聞
2016/10/27
【鳥取】県中部地震災 市街地の歩道など大きく陥没、車両が大破する被害も発生
21日に発生した地震による県道などへの被害が徐々に明らかになってきた。県中部総合事務所県土整備局では現在も調査を続けているが、歩道が陥没して通行できない区間もあるため、余震が続く中、安全を確保しながら応急復旧工事などに取り組む方針。
これまでの調査や工事関係者からの報告によると、県道鳥取鹿野倉吉線の三朝町大瀬〜倉吉市大原間で落石。この区域で法面工事を進めていた工事関係者の車両が大破。関係者は、地震発生時に車から離れた場所にいたため難を逃れたが、現場周辺では大きな衝撃が走った。現在は全面通行止めだが、法面工事に伴い車道の片側にH鋼による防護フェンスを設置することにしており、完成後には片側通行が確保できる見通し。
また、同県土局が管理する道路では、平野部、山間部を問わずにクラックなどの被害が発生しており、危険な状況も見られる。このうち、倉吉市上井地区を通過する県道倉吉青谷線の歩道が100b余りにわたって陥没。沿線には病院、鳥取看護大学、鳥取短大、事業所などがあるため、早期の整備が必要になっている。
一方、山腹被害も各地で確認されている。北栄町米里地区、三朝町西尾地区、同町牧地区、同町本泉地区などで山腹の一部が崩落した。
同県土局維持管理課の林俊一課長は「余震が続いており、被害が拡大しないか心配している。道路については車道部の復旧はもちろん、通学路や市街地の歩道も早期に整備して歩行者の安全を確保する」と話している。