2億で高気密化改修など 建築・管・電気に分け一般競争で 壱岐市は、三島小学校の体育館を対象に放射線防護対策施設整備を進める。工事は建築のほか、管と電気に分けて、いずれも制限付き一般競争入札で12月までに発注予定だ。防災備蓄品の準備も含む総事業費は2億0500万円。
壱岐市の南部(郷ノ浦町・石田町の一部)は、玄海原子力発電所から30`圏内の緊急防護措置準備区域(UPZ)に位置している。壱岐市では、玄海原子力発電所の災害発生時に市北部に避難することとしている。ただ、天候や地形的条件、避難者の事情によっては、すぐに避難できないケースが想定されるため、一時的に屋内に避難する施設の整備を進める計画だ。
三島小体育館の整備はこの考えに基づく初弾の工事になる。同校は、2次離島である大島にあり、天候などによっては本島に渡れず30`圏外に避難できないことから体育館に放射線防護対策を施し、一時避難施設化する。
体育館はSRC造平屋建て528平方bで、窓枠などを補強する建築工事で気密性を高める。併せて、放射性物質除去フィルターを備えた換気設備で室内を高気圧化(機械設備(管)工事)し、非常用発電設備も設置する(電気設備工事)。工期はいずれも5カ月を想定しており、本年度中に完了させたい考えだ。
原島・長島でも整備を計画 壱岐市では、大島と同様に2次離島である長島と原島についても、RC造の既存施設(旧三島小学校分校など)を活用し放射線防護対策施設の整備を進める計画で、引き続き国に補助を要望していく。さらに本島でも、要介護者など円滑・迅速な避難が困難なケースに配慮し、放射線防護対策施設を整備したい考えだ。