千葉県道路メンテナンス会議(会長・八尾光洋千葉国道事務所長)の本年度第2回目が25日、千葉市内のきぼーるで開催され、本年度の点検・修繕の進捗状況や点検計画の見直しなどについて説明が行われた。地域一括発注については本年度、匝瑳市や多古町など9市町が橋梁650橋、横断歩道橋2橋、大型カルバート1基を対象に実施。昨年度の5市町、橋梁29橋から大きく増加したことが報告された。
地域一括発注を実施しているのは、匝瑳市、多古町、印西市、白井市、香取市、銚子市、君津市、山武市、横芝光町の各市町。7月15日と8月25日に千葉県建設技術センターと契約を締結し、9月から点検を開始した。地方公共団体の一括発注の割合は着実に伸びており、本年度の全国での発注の割合は1都8県で全体の約25%となっている。
また点検数は、2014年度、15年度の橋梁点検進捗状況を踏まえ、14年メンテナンス年報で定めた点検計画を見直し、橋梁は3316橋、トンネルは58本、道路付属物等は178施設に当初計画から増加。県内での点検の進捗状況は、橋梁が点検予定数3316橋に対し572橋を実施し進捗率17・2%。トンネルは同58本に対し19本を実施済みで同32・8%。道路付属物等は同178施設に対し76施設を実施済みで同42・7%。橋梁とトンネルは進捗が全体に遅れぎみとなっている。
このうち、最優先で点検すべき橋梁の点検進捗状況は、緊急輸送道路を跨ぐ跨道橋が点検予定数137橋に対し28橋を実施済みで進捗率20・4%、跨線橋(歩道橋含む)が同115橋に対し14橋とも実施済みでで同12・2%、緊急輸送道路を構成する橋梁が同621橋に対し139橋を実施済みで同22・4%。
このほか取り組み事例では、コスト縮減のため「直営点検」を実施している事例が紹介された。関東地方整備局が本年度から一部の橋梁で職員自らが行う直営点検・診断を試行。県内の市町村では野田市、鎌ケ谷市など8市町村が2月に直轄職員と市町村職員が橋梁の合同点検を実施した。
千葉県道路メンテナンス会議は、県内の道路の老朽化対策や維持管理を効率的に実施するために、県内のすべての道路管理者が参画して14年5月29日に設置された。各道路管理者間の情報交換及び連絡調整に関する事項を定め、メンテナンスサイクルの構築と計画に基づく修繕の円滑な実施に取り組んでいる。
会議では、千葉国道事務所の八尾光洋会長が「メンテナンスのサイクルを作るうえでは検査した結果をチェックすることが一番大切。それぞれの道路管理者の立場で色々な問題を議論し、共有しあい、メンテナンスサイクルを確実に実施していくことを祈念する」とあいさつした。