日刊建設工業新聞
2016/10/25
【鳥取】県中部地震、被害状況明らかに 平井知事が補正予算編成を指示
最大震度6弱を観測した県中部地震から3日目の24日、県庁では職員が引き続き情報収集に追われた。同日午前に開いた災害対策本部会議では平井伸治知事が、集めた部局長に対し補正予算の編成を急ぐよう指示した。
24日午前7時現在の被害状況は、住宅被害が倉吉市、三朝町、湯梨浜町、北栄町で全壊2棟、半壊2棟、一部破損379棟の計383棟に上り、非住宅・文教施設でも230を超える棟で被害が出た。うち倉吉市明治町にある倉吉商工会議所は、窓ガラスが割れ、壁もはげ落ちて建物内に入れない状態。
農林水産部の関係は、ため池4カ所に一部クラックが見つかったほか、施設被害では赤碕町漁協荷さばき所の外壁崩落、JA選果場(倉吉、東郷)のガラスと壁の破損、大山乳業農協の基礎部が破損。林道栗尾線(倉吉市)は法面が一部崩壊した。
公共土木施設にも被害が及んだ。県土整備部によると、路面クラックなど道路を中心に42カ所の被害を確認した。路面変状が確認された国道313号北栄IC−倉吉IC間や、落石があった鳥取鹿野倉吉線の三朝町大瀬−倉吉市大原間など4カ所で全面通行止め。
河川・海岸は北条川と鮒川の護岸、大栄海岸の水路取り付け護岸が被災したほか、国管理の小鴨川左岸にもクラックが発見された。
また、土砂災害危険カ所の点検作業を22日から進めている。震度5以上を観測した市町の危険カ所1146カ所を点検。25日以降は県測量設計業協会も協力し、今週末までに点検を完了させる。
同部では公共土木施設について、「緊急を要するカ所は修繕した上で、災害復旧事業の申請に向かいたい」(技術企画課)と話している。