トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建通新聞社四国
2016/10/25

【徳島】徳島県 建築の入札制度・総合評価見直しへ

 徳島県は、年間の工事件数が少なく、落札業者に偏りが見られる「建築工事」について、受注機会の均等化を図ることを目的に現行の入札制度・総合評価落札方式を見直すことに決めた。2017年5月からの運用を目指し、建設業界や入札監視委員会の意見なども踏まえ、検討を進める。また、新たな調査制度を創設し、有効落札候補者が1者の案件、設計金額2億円以上の工事で入札金額が予定価格または失格判断基準価格に近い案件を対象に、契約前に調査する制度を導入する考えも示した。こちらは入札監視委員会での意見も踏まえ、本年度中の導入も視野に準備を急ぐ考えだ。
 この新たな入札制度への見直し方針は、20日開催の県議会県土整備委員会で県が示した。県が9月県議会定例会に上程していた建築工事2件の請負契約案件について、同委員会は13日、落札企業に偏りが見られるなど公平性が担保されないとし、入札制度の見直しを求めるとともに、当該企業への調査を求め、当日の採決を見送っていた。20日の同委員会では、県が落札企業の聞き取り調査と入札監視委員会での審議の結果を報告。入札制度の見直しについて、見直しの方向性を示し、建築工事2件の請負契約案件は可決されている。
 県は入札制度の見直しについて▽手持ち工事数による評価の導入▽地域精通度の導入(全てのA級、特A級を対象)▽企業や配置予定技術者の工事成績評点の配点を縮小▽失格基準価格の見直し(引き下げ)▽一抜け方式の拡大−などの項目で検討する考えを示した。委員からは「失格基準価格の見直し(引き下げ)については低入札価格化が懸念される」といった指摘があったが、県は「今後予定している業界との意見を踏まえ、最終的に判断したい」などと答えた。この他「偏っているのは建築に限らず、他の工種にも見られるようだ。他工種にも拡大する考えはあるのか」という質問に、県は「当面は建築について5月からの新制度適用を目指す。他工種については今後研究したい」と回答するにとどめた。
 県はまず、11月14日から28日にかけて県内8会場で開催される入札制度等に関する意見交換会で、業界の意見・要望などを求める他、入札監視委員会での委員の意見などを踏まえ、年度末までに新たな「入札・契約制度の改正および運用の改善」をまとめることにしている。

提供:建通新聞社