建設新聞社
2016/10/24
【東北・福島】福島県が広野町のふたば未来学園設計概要を公表
福島県は、福島第一原子力発電所が立地する双葉郡の復興に向けた教育環境整備の一貫として、広野町に中高一貫校「福島県立ふたば未来学園」の新設計画を進めており、21日に県庁で開かれた教育委員会定例会の中で実施設計概要を発表した。
建設地は、町中心部で国道6号の西側に位置する広野町中央台1丁目ほか地内の約5万7000平方b。ここに、合計延べ面積約2万2000平方b規模の施設群などを整備する。
施設概要は、普通教室棟(中学・高校)がW造2階建て、延べ約6600平方b、管理特別教室棟(事務室、特別教室、多目的ホールなど)がRC造3階建て、延べ約7800平方b、体育施設棟(アリーナ2カ所、格技場)がS造3階建て、延べ約6400平方b、これらを接続する渡り廊下がS造約200平方b、温室・プールなどの付属施設が約1000平方b。
配置計画は、整地形状に合わせたECC(エデュケーショナルコンコース)を軸に、両側に弧を描くよう内側に普通教室棟、その外側に特別教室棟、体育施設棟を配置。また、東側に野球場(センター124b、両翼94b)、南側には200bトラックが確保できるグラウンドを設置する。
このほか、広野町下北迫地内で寄宿舎とサッカーグラウンドを整備。寄宿舎は、S造3階建て、延べ4200平方b規模、サッカーグラウンドは約2万6000平方bの敷地にサッカーコート1面(105b×68b)を計画している。
基本・実施設計は、2015年度に実施した公募型プロポーザルで選定された辺見美津男設計室・阿部直人建築研究所JVが担当。
設計・デザインコンセプトとして、双葉8町村の強い絆を八つの建物で表現したほか、建物内部と外空間であるECCを一体的に利用できるような平面構成を採用した。また、地域の声も設計に反映し、多目的スペースやカフェ、地元産品の売店なども配置している。
各施設の供用は19年4月を予定しており、建築工事は17年度の発注が見込まれる。本年度は、学校敷地造成とサッカーグラウンド整備を3月に標準型総合評価落札方式の対象として入札する。概算金額は、学校敷地が11億円〜11億5000万円、サッカーグラウンドが4億4000万円〜4億5000万円。
提供:建設新聞社