静岡県下田市は、稲梓中、稲生沢中、下田東中、下田中の4中学校の統合を検討している。同市では人口減少が進んでおり、少人数による教育課題が生じる可能性があるため再編する。新校舎の予定地は稲生沢中学校か下田中学校のいずれかを検討しており、早ければ2021年度の開校に向けて校舎など学校施設の整備を行っていく。
同市の中学校再編は、07年12月に再編整備審議会が稲梓中と稲生沢中を統合する方針を示したが、保護者や地域住民の同意が得られず、先送りした。その後、少子化の流れが加速し、15年3月に同審議会が将来的に一校化することを視野に入れ、まずは稲梓中と稲生沢中を統合し、下田東中が単学級となった場合に下田中と統合する段階的再編を答申した。今年8月に行われた市総合教育会議では二つの中学校に再編しても再び単学級の発生が見込まれることから、段階を踏まず4校を1校に統合する方向性を示した。今月11日には1回目の市立中学校再編整備検討会議が開かれ、これまでの経過や今後の検討課題などを確認した。
新中学校の候補地は@文部科学省令に基づく中学校設置基準を満たしていることA既存施設を最大限活用できることB防災面での安全性を確保できることC公共交通機関を利用し、市内全域からの通学が可能であること―などを選出条件として検討を行った結果、稲生沢中学校か下田中学校の2校に絞り込まれた。2校の詳細は以下の通り(@校舎規模・建設年・耐震ランクA運動施設規模・建設年・耐震ランクB敷地面積)
稲生沢中学校―@鉄筋コンクリート造4階建て延べ2934平方b・1982年・Tb(耐震性能が良い建物。東海地震で倒壊する危険性はないが、ある程度の被害を受けることが想定される)A鉄筋コンクリート造2階建て延べ1159平方b・86年・TbB1万3199平方b
下田中学校―@鉄筋コンクリート造2階建て延べ5098平方b・84年・TbA鉄筋コンクリート造2階建て延べ1128平方b・85年・TbB3万5098平方b
今後、再編整備検討会が一校化するうえでの課題、校舎位置の方向性、校舎建設(新設・改修)手法の方向性などを検討していく。16年度末に方針を取りまとめ、17年度に「市学校等再編整備審議会」を設置し、諮問・答申を経た後、市として最終決定する。
提供:建通新聞社
(2016/10/24)
建通新聞社 静岡支社