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秋田建設工業新聞社
2016/10/21

【秋田】成瀬ダム工事事務所/報道機関との現場見学会を開催

 東北地方整備局成瀬ダム工事事務所は20日、報道機関を対象とした現場見学会を開催した。一次供用区間内に架かる夢仙人大橋(1号橋、L342m)や成瀬ダム展望台、国道付替2号トンネル(L1,800m)、左岸工事用道路、仮排水トンネル呑口、右岸下流工事用道路の5カ所で、現場状況などの説明を行った。事務所単独の現場説明会は今回が初めて。
 成瀬ダムは、雄物川沿川における洪水被害の軽減や水需要への対応、渇水被害の軽減などを目的とするもので、36年度の完成を予定している。ダム本体は当初、中央コア型ロックフィルダムを計画していたが、コスト縮減や自然環境への影響低減を目指して台形CSGダムに変更する方針で、現在手続きなどを進めている。
 見学会では、はじめに成瀬ダム工事事務所の町屋政蔵所長が「今年度は前年度比2.83倍となる約52億2,000万円の予算が配分されたうえ、上半期発注率80%を目標としていた前倒し発注も達成できた。進んでいる工事現場にぜひ触れてほしい」とあいさつした。
 7月から本格着工している国道号付替2号トンネル(施工:鹿島建設)では、工法や猛禽類対策などを紹介。NATM工法で1日4mの掘削が進められており、進捗延長は135m(10月20日現在)となっている。同工事では猛禽類対策として防音扉を設置しており、30から40デシベルの騒音が軽減される。
 ダム工事中に成瀬川の代替となる仮排水トンネル(上段・下段トンネル、L約1,000m×2)の呑口も見学。来秋以降から使用される予定で、下段トンネルは常時排水する。215tを超える場合は上段トンネルも活用し、洪水時には最大300tの排水が可能となる。
 最後にICTを活用した右岸下流の工事用道路現場が紹介された。ドローンによる3次元測量が行われた盛土(10万㎥)の現場で、GPSを搭載した重機による工事が進められており、ICTの魅力やメリットなどを説明した。
 また、同日は湯沢河川国道事務所が開通前の国道13号院内道路を公開した。院内道路(L約3,000m)は19年4月に着工し、来月5日に開通を控える自動車専用道路で、総事業費は128億円。院内岩井堂トンネル(L1,585m)や獅鼻トンネル(L1,100m)が公開され、施工技術や材料などを説明した。

提供:秋田建設工業新聞社