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建設新聞社
2016/10/21

【東北・福島】ロボットテストフィールドの建築設計を山本堀・URリンケージJVに委託

 福島県は、福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想に基づくロボット産業集積に向けたロボットテストフィールドの整備を計画し、その拠点となる研究開発等施設、国際産学官共同利用施設に係る基本・実施設計委託者を一括して選定するため、公募型プロポーザル手続きを進めた結果、最優秀提案者に山本堀アーキテクツ・URリンケージJVを選定し、9300万円で契約した。
 プロポーザルには、山本堀JVのほか、日立建設設計、プランテック総合計画事務所、大建設計、梓設計・小坂建築設計工房JVが参加。9月7日の一次審査(書類)、同14日に福島市で開催した2次審査(公開ヒアリング)を経て、最優秀に山本堀JV、次点に梓JVを選定。山本堀JVとは10月5日に見積り合わせを行い、内部手続きを経て20日付けで審査結果を公表した。予定価格は9327万6000円。
 テストフィールドは、南相馬市で造成中の復興工業団地(南相馬市原町区萱浜地内)のうち約50fを活用して整備。この中で、今回委託した2施設の用地として約1・2fを想定している。
 研究開発等施設(本館棟)は、S一部RC造2階建て、約2900平方b規模。災害対応やインフラ点検等に活用されるフィールドロボットの実証試験、応用性能評価、認証等を行う。
 一方、国際産学官共同利用施設(ロボット)研究棟は3棟構成とし、A棟がS一部RC造2階建て、延べ約2560平方b、B棟がS一部RC造平屋建て、延べ1020平方b、C棟がRC造平屋建て、延べ約200平方b規模。この施設では、ロボット研究開発における試作、基礎性能評価、製品改良等を行うほか、人的交流や技術指導機能も備える。
 山本堀JVの提案は、本館棟と研究棟をロの字型に一体配置することで交流性を生み出そうとするアトリウム―アメニティの創出が特徴。
 審査講評では、中庭部分に研究可能なスペースを設け交流空間を創出したことで、研究者間の交流や協働を生み出すことに期待が持てる空間構成となっていることが評価。さらに、研究室の近くに簡単な試作ができるマイクロファクトリー空間を配置することによるロボット搬入経路の工夫など、想定される研究内容への理解度なども高評価を得ている。審査は、時野谷茂会津大学短期大学部長を委員長とする5人が担当した。
 設計工期は2017年10月末。着工は17年度後半を目標としている。
 なお、フィールドにおける特殊構造物をメーンとした全体基本設計等業務はパシフィックコンサルタンツが担当する。

 提供:建設新聞社