県県土整備部港湾課は、企画提案を募集していた「千葉港千葉中央地区における官民連携検討調査委託」の委託先候補にPwCアドバイザリー(東京都中央区銀座8―21―1)を選定した。千葉港千葉中央地区において埠頭の一体的で効率的な運営を行うため、港湾運営会社やPPP・PFI等の民間活力・技術の導入による埠頭の管理・運営や整備手法の可能性について検討する。1600万円(消費税込み)を上限に契約する。委託工期は2017年3月25日。応募者は同社を含む2者だった。
千葉港千葉中央地区は、千葉港の主要となる公共岸壁を有する物流地区だが、利用頻度の高いバースがある一方、老朽化が進み、未利用の岸壁や高度利用されていない土地があるなど、効率的な運営がなされていない。今後、同地区では更なる貨物の取り扱い増加が見込まれており、二つの埠頭の一体的で効率的な運営を行うため、港湾運営会社やPPP・PFI等の民間活力・技術の導入による埠頭の管理・運営や整備手法の可能性について検討する。
同業務では「千葉中央地区の需要分析」と「千葉中央地区における民間活力・技術導入の可能性の検討」の2つの特定テーマを設定。需要分析では、企業の現状と課題、将来構想等を把握するためヒアリング調査等を実施し、@既存設備やサービスに係る評価A貨物需要動向分析B今後整備・拡充が必要な機能の分析C機能拡充にかかる概略整備計画案の検討・整理――の4項目について検討する。
この分析結果をもとに、整備等が必要な施設での官民連携の手法について整理し、同地区で導入が効果的と考えられる手法について評価を行う。また、事業スキームの諸条件を整理し、概算で算出した施設整備費や維持管理・運営費に基づき事業実施時の財務シミュレーションを算出。財務シミュレーションの算出では公共事業で実施した場合の比較を行う。これらの検討結果をもとに基本構想(アクションプラン)を作成する。
県では千葉港港湾計画の改訂作業を進めており、基本構想案をまとめている。その中で、ヤード不足や利用頻度の高いバースがある一方、老朽化が進んで未利用の岸壁や高度利用されていない土地があるなど、効率的な運営がされていないなどの課題が挙げられた。基本構想は本年度内に策定する予定で、同業務では同構想との整合を図る。
千葉港は、国際海上貨物輸送網の拠点となる国際拠点港湾に位置づけられている。東京湾奥部に位置し、県内6市(市川市〜袖ケ浦市)にまたがる、海岸線延長約133kmを有する日本一広い港湾。約256万人(県人口の約42%)の人口を擁し、多くの人々の生活を支えている。港湾取扱貨物量は約1・6億t(2014年度)で全国第2位。石油コンビナート、製鉄所、LNG基地などが集積し、県内及び首都圏の産業活動を支える重要な役割を担っている。