国立大学法人京都大学は18日、簡易公募型プロポーザルの「京都大学(中央)総合研究15号館(旧建築学教室本館)改修(建築)設計業務」について、内藤建築事務所を特定したことを明らかにした。
プロポで技術提案書の提出を求める者として、小笠原設計、阿波設計事務所、内藤建築事務所、綜企画設計、都市環境設計の5社を選定。審査等を経て18日までに内藤建築事務所を特定した。次点は都市環境設計。設計の履行期限は29年2月28日。
計画によると、耐震改修と機能改修(躯体、内外装、防水、建具等)として改修延べ面積1640uと増築120uを行う。RC外壁内側増打ちなどで耐震補強を図るとともに、エレベーターを増築。トイレも増やす。
工期は29年3月から30年1月までを予定。
文部科学省の28年度発注見通し(10月分)によると、京都大学(中央)総合研究15号館(旧建築学教室本館)改修その他工事は第4四半期に公告し入札・契約する。工期は約9ヵ月。予定工事発注規模は2億円以上6億円未満。
電気設備工事、機械設備工事もそれぞれ第4四半期に公告し入札・契約する。ともに工期は約9ヵ月で、予定工事発注規模は3500万円以上1億円未満。
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改修対象の総合研究15号館(旧建築学教室本館)(京都市左京区吉田本町/大正11年築)は、京大最初のRC造の建物。瓦屋根を持たない建築で正面の湾曲した壁面、アーチ状の階段、小豆色のタイル、頂上部の帯状の装飾などが主な特徴。
京都大学百周年時計台記念館(京都市左京区)、京都府立図書館(京都市左京区)、関西電力京都支店(京都市下京区)などの設計を手がけ、京都市役所本館(京都市中京区)の設計では補整を担ったとされる京大工学部建築学科初代教授を務めた武田五一氏が建物を設計した。京大が独自で定めた保存建物(歴史的建造物)に指定されている。規模はRC造地下1階地上2階建、延1666u。