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北海道建設新聞社
2016/10/17

【北海道】函館港若松地区の旅客船岸壁が年度内に準備工着手の可能性

 函館開建は、国の2016年度第2次補正予算成立に伴い、函館港若松地区での旅客船岸壁360mの整備を本格化させる。6億3000万円が計上されたことを受け、近く地質調査2件を指名競争で入札し、年明けには設計にも取り掛かるなど、工事への準備を急ぐ。早期の整備効果発現に向けて暫定供用も視野に入れながら、桟橋形式の施設を優先整備する。
 青函連絡船記念館摩周丸沖側に設置されているドルフィン2基を活用し、摩周丸を挟み込むような形で12万d級の船が接岸できる水深10mの旅客船岸壁360mを新設するもの。浚渫土量50万m³程度に上る泊地28・5haの整備も予定している。
 現地では、間もなく岸壁改良部と新設部の地質調査がスタート。続いて基本設計や詳細設計、実施設計に取り掛かり、別途進める関係施設の老朽化調査の結果も踏まえて施設本体を整備する。摩周丸船尾側などの陸上では、年度内に準備工に入る可能性もある。
 まずは、4万d級の船を受け入れることができる岸壁へと急ピッチで環境を整える方針。暫定的に利用しつつ岸壁の延伸や浚渫などを続け、最終的にはダイヤモンドプリンセス(11・5万d)など12万d級の船に対応させる。
 現在は主に港町ふ頭に接岸している旅客船を中心部まで引き込むことで函館らしいまち並みを印象付けるほか、人気スポットの函館朝市や西部地区などが徒歩圏内になることから乗降客の利便性も向上。周遊時間の増加が期待される。
 港湾管理者の市は、これを弾みにクルーズ船誘致への取り組みを強化させる方針。中心市街地の活性化にも大きく寄与する事業のため、国と連携して早期の供用を目指す。