関東地方整備局が7日に開いた2016年度第5回事業評価監視委員会で、本県の国道468号首都圏中央連絡自動車道(圏央道)大栄〜横芝間と東金茂原道路の2件が審議案件となり、いずれも事業の継続が了承された。大栄〜横芝間は、暫定2車線整備を先行し、その後、全線4車線完成に向け事業を推進。東金茂原道路は、13年4月に暫定2車線で供用を開始。今後、全線4車線化に向け事業を推進する。
圏央道大栄〜横芝間は、成田市吉岡から山武市松尾町谷津に至る総延長18・5qの道路。08年度に事業化され、13年度から用地買収に着手、14年度から埋蔵文化財調査を開始した。用地取得率は本年3月末の面積ベースで約36%。埋蔵文化財調査は周辺の約52万uの埋蔵文化財包蔵地のうち、15年度末までに約4万uを調査済み。
今後は、用地取得を完了した箇所から順次調査に着手し、道路の整備効果の早期発現を図るため、暫定2車線開通に向けて事業を推進し、暫定2車線を完成させる。その後、4車線工事に着工する予定。
事業の費用対効果は、総費用930億円に対し総便益1366億円で、費用便益比1・5となった。また、残事業でも総費用877億円に対し総便益1366億円で、同1・6と費用対効果が認められた
大栄〜横芝間は、圏央道のつくば〜大栄間に接続し、千葉県と茨城県を結ぶ広域な高速道路ネットワークを形成するとともに、成田国際空港周辺での地域の活性化や地域経済及び産業の発展に寄与することや、災害時の内陸部から東京湾岸部及び県東部への緊急輸送ルートとして機能することから、地域の防災強化も期待される。
一方、東金茂原道路は、東金市丹尾から茂原市石神に至る総延長21・6q・幅員25・0mの道路。01年度に事業化され、04年度に用地買収及び工事に着工。13年度に暫定2車線で開通した。今後は暫定2車線での交通状況を見極めながら、全線4車線完成に向け事業を推進する。同区間では大網白里と茂原長柄の2つのスマートICが計画され、13年6月に連結許可を受けた。
4車線化は、25年度に準備工と改良工に着工、26〜28年度に階良工とともに橋梁工、トンネル工を実施。29年度に舗装工、施設工を実施する予定。
事業の費用対効果は、総費用1127億円に対し総便益1785億円で、費用便益比1・6となった。また、残事業でも総費用318億円に対し総便益1542億円で、同4・9と費用対効果が認められた。
同道路は、圏央道(茂原〜木更津、横芝〜東金)に接続し、東京湾アクアライン、館山自動車道と連絡。県と東京都、神奈川県とを結ぶ広域的な高速道路ネットワークを形成し、房総半島での新たな自動車専用道路として地域の活性化や地域間交流及び連携強化による地域経済の発展及び産業の発展に寄与することが期待されている。