全国建設業協会(全建、近藤晴貞会長)と国土交通省による2016年度近畿ブロック会議が10月12日に京都市内で開かれた。今回のテーマは「経営の安定化」と「担い手の確保・育成」。地域建設業が将来にわたって役割を果たしていくための問題意識を改めて共有した形だ。
近畿建設業団体協議会の提案議題は全六つ。このうち大阪建設業協会(奥村太加典会長)からは「民間建設工事の適正な品質を確保するための指針」の普及徹底を要望した。同指針は、民間建設工事の発注者と受注者が着工前に実施すべき内容を示したもので、「民間発注者への指導と併せて、運用実態を踏まえ、必要に応じた改訂を図ってほしい」と訴えた。
他府県の協会からは、▽和歌山県建設業協会=社会資本整備の計画的推進のための安定的な公共事業予算の確保と災害に強い国土づくり(大型補正予算の早急な編成・執行)▽奈良県建設業協会=担い手の確保・育成(週休2日制のさらなる普及に必要な工期設定、書類の簡素化、熱中症対策など労働環境の改善諸経費の確保、一級土木施工管理技士の受検資格緩和)▽福井県建設業協会=入札契約制度の改善(公契連モデルの最低制限・低入札調査基準価格の引き上げ・上限枠の撤廃、発注・施工時期の平準化、週休2日制の推進、適正利潤が確保できる予定価格の設定など)▽滋賀県建設業協会=総合評価落札方式(企業チャレンジ型拡大、二封筒事後審査型入札の廃止、表彰制度の基準明確化など)▽兵庫県建設業協会=@−Constructionの推進(自治体発注工事へのICT技術導入、職員の教育訓練経費の確保、現場技術者に対する講習会の実施など)―の五つの提案があった。
冒頭、京都府建設業協会の岡野益巳会長(近畿建設業団体協議会当番幹事)は、「地域を支える足腰の強い産業にするためには担い手の確保が必要不可欠。引き続き自治体に対して担い手3法の適切な運用など積極的な指導をお願いしたい」と述べた。
池田豊人近畿地方整備局長は、「近畿では受発注者間のコミュニケーションを高めながら、生産性向上、引いては担い手確保につなげていきたい」とあいさつした。
提供:建通新聞社