国土交通省近畿地方整備局が2016年1月〜9月中旬に実施した工事の完成技術検査(本官、営繕部、分任官=淀川河川、大和川河川、浪速国道、大阪国道分全105現場※建通新聞社調べ)の工事成績評定結果を弊紙で集計・分析した結果、全現場の平均点は77・4点となり、平均点以下の現場に「工事事故などによる減点」が集中している他、減点の現場で「安全対策」の評価点が低い傾向にあることが分かった。
全105現場中、平均点以上(78点以上)は54現場、同以下が51現場あった。このうち「工事事故などによる減点」があった現場は15現場で、3〜16点の幅で減点されていた。
建設業の人材育成を手掛け、工事成績評定にも精通するランパス(吹田市)の東和博氏は、「15現場の減点を平均すると6・2点。全現場で同減点があったと仮定すると98%の現場が78点未満になる。さらに減点現場の80%で『安全対策』の平均点が下回っていた。高得点獲得のためには、まずは事故(労働災害、公衆災害)を起こさないことが最重要だ」と調査結果を分析する。
この他、施工管理の基本項目や創意工夫の重要性が読み取れる調査結果となった。
工事成績評定は、発注者側からは請負業者の技術力を測る指標となり、受注者側からは業者格付けへの反映、入札時のプライオリティー確保など重要なウエートを占める。国交省では各発注機関との様式・運用の共有、統一化にも取り組んでおり、工事成績の重要性は増している。
提供:建通新聞社