日本工業経済新聞社(山梨)
2016/10/11
【山梨】総合球技場、複数候補地から検討
県内への総合球技場整備について協議する県の検討委員会の第4回会合が7日に開かれ、建設費や整備・運営手法、建設候補地などを検討した。候補地について県では、2万人収容、用地9万u(本体3万u+駐車場6万u)を想定した場合、リニア中央新幹線の新駅(甲府市)から4q以内で、一団の用地取得が可能でアクセスに優れることなどの条件に基づき、複数の候補地を県が選定し委員会で検討してもらうと説明した。
第4回委員会では県が、総合球技場のあるべき姿について、これまでの意見を集約し、リニア開業による優位性を生かし、周辺環境と調和した山梨らしいものであり、県民の負担を軽減できる適正規模であることを提示。
機能については、@サッカーやラグビー、アメリカンフットボールなどができるA交流人口拡大や定住移住を促進できるB地域経済への波及効果を創出できるC防災拠点としての役割を担う―などを挙げ、委員が了承した。
さらに、県がまとめたリニア環境未来都市整備方針の中間素案に総合球技場が同都市にふさわしい施設に位置づけられ、駅周辺施設と整合を図り、整備方針に反映していくことが報告された。
建設費については、国内の他球技場の例を提示。総工費は北九州スタジアムが約94億円(1万5581人収容)、南長野総合球技場が約76億円(1万5491人収容)、フクダ電子アリーナ(千葉市)が約81億円(1万8729人収容)などであり、スポーツ振興くじ助成金、国庫補助金、社会資本整備総合交付金などで整備されたと説明した。
想定される整備・運営手法については、公設公営、公設民営、PFI方式について、それぞれメリット・デメリットを説明。さらに大阪の吹田スタジアムが寄付を原資に施設の設計・施工を発注した方法も紹介した。
建設候補地の選定については、主な条件として@収容2万人、用地9万u(本体3万u+駐車場6万u)を想定Aリニア環境未来都市にある(リニア駅から4q以内)B一団の用地取得が可能C公共交通とのアクセスに優れているD県有地などの活用可能性があるEリニア開業時までに整備可能―を提示。条件に基づき、複数の候補地を県が選定し、交通影響予測解析結果を反映し、委員会で検討を行うと説明した。
検討委員会は県内外のスポーツ団体関係者などで構成し、本年6月に発足。議論や視察を行っており、本年末ごろ報告書をまとめる予定。