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日本工業経済新聞社(群馬)
2016/10/11

【群馬】砂防関係施設長寿命化計画を策定へ

県砂防課は本年度、砂防関係施設長寿命化計画を初めて策定する。予防保全型の維持管理手法を採用し、安全安心の確保やコスト縮減につなげる。現在、計画案の策定作業を進めており、本年度中に取りまとめる。来年度からは策定された計画に基づいて補修などの対応を取る。
計画の対象期間は2017〜26年度の10年間を予定。途中、5年経過で計画を見直す。
土砂災害に対する機能を長期的に維持することで、保全対象の安全性を確保することが目的。加えて、予防保全により維持、修繕、改築、更新にかかるトータルコストの縮減、予算の平準化を図る。
対象となる施設は、堰堤1122カ所をはじめ、床固工849カ所、地すべり防止施設66カ所、急傾斜地崩壊防止施設610カ所、雪崩防止施設6カ所−と多岐にわたる。
県が管理する砂防関係施設は、建設から長期間経過しているものが多く、損傷や変状が見られている。古いものでは1930(昭和5)年建設のものがあり、建設後25年以上が経過している施設が全体の6割に達している状況。それらのうち、多くの堰堤で変状が見られるという。計画では各施設ごとに健全度を「対策不要」、「経過観察」、「要対策」の3段階で評価する。
2017年度以降は計画に基づいて、優先度の高い施設から補修や改築などを行っていく。優先度は、施設の健全度をはじめ、流域の荒廃状況、保全対象との位置関係、保全対象の重要度、過去の災害履歴を勘案して決定する。
古い施設は現在の基準に適合していないケースもあるという。仮に要対策と判定された施設が現在の基準に適合していない場合は、補修だけでなく構造そのものを現在の基準に合わせる改修を行うなどの対応を取ることになりそうだ。