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福島建設工業新聞社
2016/10/11

【福島】女性視点で環境改善へ/県電設業協会

 県電設業協会(坂本幹夫会長)はこのほど、郡山市のビッグパレットふくしまで「活躍されている電気女性技術者 第1回技術サロン」と銘打った電設業に携わる女性による懇談会を開いた。出席者が日ごろの悩みや要望などを出し合い、女性の視点から職場環境や担い手対策の改善策などを考えた。
 同協会では26年度から、協会の在り方や運営を考える上での参考とするとともに、県内電設業界の活性化につなげようと会員が意見交換する場を設けている。女性の入職促進が社会的な課題となる中で、今年度は「女性電気屋さんが当たり前となる社会」をテーマに設定。会員企業の管理職や技術者、事務職の11人と、県の建築・電気技師2人の計13人が懇談した。
 冒頭、事業を所管する協会総務委員会の永井博委員長が「社会で女性が活躍している中、建設工事現場は女性への配慮がまだまだ足りない。女性目線で意見や要望を出してほしい」とあいさつした。
 普段、女性が少ない職場環境で、社員同士のヨコのつながりもないとあって、出席者は活発に意見を交わした。男性ばかりの環境については「認めてもらえず、くやしさを感じ、それを糧に勉強した」「女性ということで配慮してもらえた」「現場に出れば男女関係なく競争」などの感想があったほか、「認めてもらうには男性以上の力をつける必要がある」「うまくストレス発散することも必要」などのアドバイスも出された。電設業の魅力としては「達成感」「ものづくり企業としてのやりがい」などが挙がった。
 女性現場代理人を増やす課題としては、同じく常駐義務のある主任技術者を含め、拘束期間中の出産・育児等による変更が、工事成績など会社にとってプラスになることがなく、「仕事をしたい女性が婚期・出産を遅らせることになりかねない。女性が現場で働く上で大いに悩むところ」と行政側に配慮を求める意見が出された。「子育てで働き盛りに働けない」などの声もあった。
 また、次世代育成支援企業認証制度について「条件に該当する企業が少ない」として、「中小企業が優遇される措置があれば、女性の採用が進むような就業規則等の改善などが進むのでは」と改善を求める意見があった。
 悩みとしては「休日の少なさ」が話題に上がり、完全週休2日制の実現は若年者の入職を促進する上でも重要だという認識で一致したものの、実現にはハードルが高いと感じる出席者も多かった。
 参加者は次の通り。
 ▽協会=宍戸麻衣子(須南電設)高橋真弓(同)綿引礼子(高柳電設工業)本田里奈(同)吉田美佐江(東新電気工業)鈴木里美(三友電設)石川格子(東陽電気工事)小市尚美(常盤電設産業)熊谷美沙(大和電設工業)仙坂幸江(植田電機)佐藤千華子(会津電気工事)田中あゆみ(佐藤電設)佐々木樹代(本部事務局)▽県=加藤美穂(土木部技術管理課)作山史江(いわき建設事務所)