成田市都市計画課は、2016〜17年度の2か年で立地適正化計画を策定する。本年度で都市機能誘導区域を指定し、来年度で居住誘導区域を指定する。都市機能誘導区域は、成田都市計画マスタープランで位置づけられた拠点をベースに検討し、中心拠点として成田駅周辺地区、都市拠点としてウイング土屋地区、公津の杜地区、赤坂地区、生活拠点として成田湯川駅周辺地区、三里塚地区を指定候補に選定した。計画の策定業務は昭和(東京都千代田区平河町1―7―21)が担当。
都市機能の配置では、各拠点における都市機能の集積状況や機能の性質等を踏まえたうえで、各種都市機能を、周辺等の拠点に集約することが望ましい機能(拠点集約型)と、生活に身近な居住地内に適度に分散していることが望ましい機能(分散型)――の2つに大別したうえで検討。都市マスタープランの中心拠点、都市拠点、生活拠点の3拠点について拠点集約型の機能として誘導施設への位置づけを、また日常生活圏域について分散型の機能として圏域内への適正な配置をそれぞれ検討。
中心拠点は、周辺地域だけでなく市全体を対象に、日常生活の利便性の維持・向上を図る機能や非日常機能を誘導。都市拠点は、周辺地域を対象とした日常生活の利便性の維持・向上を図る機能の誘導に加え、市全体の活力状況に資する中核的な拠点として非日常機能や特色ある機能を誘導。生活拠点は、既存のポテンシャルを生かし、地域住民の日常生活の利便性の維持に必要な機能を誘導する。また、拠点のみへの集積が馴染まない機能を拠点の利用圏内だけでなく、施設の利用対象者人口等に基づき日常生活圏内に適正に配置する。
拠点の中心地は、田駅周辺地区がJR成田駅交差点、赤坂地区が赤坂消防署前交差点、公津の杜地区が公津の杜駅、ウイング土屋地区が根木名川及び金山橋の交差点、成田湯川駅周辺地区が成田湯川駅、三里塚地区が三里塚交差点にそれぞれ設定。
同計画では、福祉・医療・商業等の機能を誘導する都市機能誘導区域、住宅を誘導する居住誘導区域を設定するとともに、立地を誘導すべき施設、都市機能及び居住誘導のための施策を定める。
都市誘導区域は、福祉・医療・商業等の都市機能を都市の中心拠点や生活拠点に誘導・集約し、各種サービスの効率的な提供を図る。同区域では地域の人口特性や必要な機能を検討したうえで、立地を誘導すべき都市機能増進施設(病院、診療所、デイサービスセンター、幼稚園、小学校、図書館、スーパーマーケット)を定める。指定を受けると、誘導施設の整備等に対する国の支援措置がある半面、都市機能誘導区域外で誘導施設を整備する場合には原則として市長への届け出が義務づけられる。
一方、居住誘導区域は、人口密度を維持し、生活サービスやコミュニティが持続的に確保されるよう居住を誘導する。同区域の指定を受けると、空き家住宅等の活用や市民緑地の整備等で国の支援措置が受けられる半面、居住誘導区域外で一定規模以上の住宅開発等を行う場合には原則として市長への届け出が義務づけられる。
立地適正化計画は、来年度からスタートする成田市総合計画や次期都市計画マスタープランで定める理念や目標を共有し、将来都市構造等を実現するための具体的な計画としての役割を担う。都市づくりの方向性では、@魅力的な拠点形成に向けた高次教育機能等の誘導A誰もが住みたくなる市街地の形成に向けた都市機能等の充実B生活利便性を確保する公共交通網の維持・確保C都市基盤の有効活用と選択的投資の推進――の4項目を位置づける。