小西化学工業(和歌山市)の小西弘矩代表取締役社長は7日、西川一誠知事を表敬訪問し、テクノポート福井の福井工場内に、ジヒドロキシジフェニルスルホン(DHDPS)製造プラントを建設すると報告した。
投資額は約25億円で、17年2月の着工、18年初頭の操業開始を予定。施工は東レエンジニアリングが担当。需要増への対応とともに、和歌山、福井の2拠点生産による一層の供給安定化を図るのが建設の狙い。
新プラントの規模は4階建て延べ1500平方メートル程度。感熱紙用顕色剤やポリエーテルスルホンの材料であるDHDPSを生産する。生産能力は年産3000トン。10人程度の新規雇用も予定。
同社によると感熱紙顕色剤用途は、高級感熱紙向け需要が世界規模で堅調に拡大。加えて、ポリエーテルスルホンは耐熱性や寸法安定性などに優れ、先端技術の炭素繊維複合材料の素材として航空機に使用されるほか、自動車の軽量化や医療および水処理など膜用途にも使われるなど、近年大幅な需要の増加が見込まれるという。