建通新聞社(神奈川)
2016/10/06
【神奈川】PFIなら参入可能性アップ プール規模縮小、余剰敷地に民間収益施設 17日に意見交換会 「本牧」「横浜」の2プール民活再整備の対話結果 横浜市市民局
横浜市市民局は「本牧市民プール」(中区)と「横浜プールセンター」(磯子区)の民活による再整備に向け、8月に実施した民間企業などへのサウンディング調査(対話)の結果を公表した。それによると9事業者が参加し、PFIであれば民間参入の可能性が高まるとの意見や、プールの規模を縮小して余剰敷地に民間収益施設を整備・運営するとの提案などを市側に寄せた。10月17日に改めて事業者との意見交換会を開き、より具体的に意向を把握して事業手法の検討を深度化させる。
両プールとも横浜市体育協会が管理・運営する屋外型のプールで、1960年代に完成。老朽化が著しいため、2015年10月の「プール及び野外活動等の見直しに係る方針」で再整備を検討する方向性を打ち出していた。
サウンディング調査は▽両敷地に屋外プールを整備▽収益性にも配慮した施設規模・設備内容を確保▽「本牧」を先行して再整備し、完了後に「横浜」を再整備▽屋外プール以外の導入機能の検討(夏場以外の活用や余剰敷地・容積の有効活用、住宅を除く)▽できる限り民間主体の事業スキーム▽両施設を一体の事業にすることも可能▽民間事業では定期借地、売却のいずれも可能―といった前提条件を掲げて実施。参加した9事業者の業態は不動産3者、スポーツ施設メーカー3者、スポーツ施設運営2者、建設1者だった。
主な意見や提案を見ると、事業スキームに関しては「民設民営は難しい」ため、「PFI(サービス購入型)であれば民間参入の可能性が高まる」との意見が多数を占めた。事業の実施体制はコンソーシアムを想定する意見が多く、PPP事業であれば運営期間を「10〜20年程度」、民間施設などの借地期間を「20年程度」と見込んだ提案もあった。
プールの施設・設備を巡っては、収益性や通年利用の面から「ウオータースライダー」「サーフィン用プール(本牧のみ)」「エア遊具による水上アスレチック」などの整備を挙げた。その一方で、プールの規模を縮小して余剰敷地を活用する提案が多く、具体例として▽レストラン▽バーベキュー場▽フィットネス施設▽宿泊施設▽商業施設▽温浴施設▽インラインホッケー・スケート場(本牧のみ)▽イベントスペース(横浜のみ)▽フットサルコート(横浜のみ)▽屋内プール(本牧のみ)―などを示した。
両施設の事業を「一体」とするか「別」にするかについては意見が分かれた。
10月17日の事業者との意見交換会は「本牧」を見学した後、「横浜」に移動して行う。対話に参加した9事業者に限らず、10月14日まで参加申し込みを受け付ける。
提供:建通新聞社