国土交通省四国地方整備局と徳島県は9月26日、阿南市内で第9回那賀川学識者会議(議長・湯城豊勝阿南工業高等専門学校名誉教授)を開き、7月に公表した那賀川水系河川整備計画(変更原案)の内容について、前回会合での委員の意見や7〜8月に実施したパブリックコメントによる県民の意見を踏まえ作成した修正案について意見を求めた。この他、那賀川直轄河川改修事業の事業再評価を行い、事業継続を妥当とする今後の対応方針案を示し、了承された。
変更原案の修正案については、寄せられた意見を基に必要なら追記などを行い修正。那賀川の治水・利水の具体的な対応に関する追記の他、洪水調節機能の向上に関するより具体的な取り組み内容、長安口ダムの堆砂対策に関する実施内容と除去土砂の扱い−などを追記した。委員からは県管理区間の対策範囲がもう少し分かりやすくならないかなど、県民にできるだけ分かりやすくし、誤解のないようにするよう意見が寄せられた。
今後は、今回寄せられた意見を基に那賀川水系河川整備計画(変更案)を作成し公表、徳島県知事による関係市町村への意見聴取などを経て、整備計画を変更する予定。
一方、那賀川直轄河川改修事業の事業再評価については、事業の必要性や事業の進捗の見込み、コスト縮減・代替案立案などの可能性−の三つの視点(再評価の視点)と県知事の意見を踏まえ、会議では「事業を継続する」という事業者の今後の対応方針を了承した。
同事業は、2007〜36年度までの事業期間で約631億円の事業費を投入し、那賀川・桑野川の築堤や地震津波対策などを進める河川改修事業。17〜21年度までの当面の対策として、那賀川の無堤地区の加茂箇所、持井箇所の堤防整備を実施し、無堤部の解消を図る他、堤防の浸透対策や危機管理型ハード対策として堤防裏法尻の補強を行い、堤防の決壊に対する安全性の向上を図る。また、楠根・吉井箇所の河道掘削や桑野川下流部の地震・津波対策も継続することにしている。
提供:建通新聞社