トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建通新聞社四国
2016/09/30

【香川】立体道路制度 四国地整は道路空間有効活用で検討

 国土交通省は9月27日、社会資本整備審議会道路分科会の基本政策部会で、道路空間の立体的利用のニーズに応えるため、立体道路制度の適用範囲を拡充する方向性を示した。同制度を活用し、駅ビルと自由通路を一体的に整備することや、道路機能を残したまま小規模街区を統合した大規模ビルの建築を認めることを検討する。
 立体道路制度は、地価高騰で用地取得が難航する中で、道路事業の推進を図るために1989年に創設。道路の立体的区域を指定し、道路と建築物を一体的に整備することを認める。東京外環自動車道の建設に合わせ、道路上に賃貸住宅を建設した「デュプレ西大和」、環状2号線と一体で整備した「虎ノ門ヒルズ」などに同制度が活用された。
 国交省は、同制度の適用範囲を広げ、道路空間の高度利用を狙う。例えば、駅周辺で点在するバス停を再開発ビルの1階部分などに集約し、乗り継ぎ利便性を向上させ、周辺の交通混雑の緩和などを狙う。
 限られた敷地で駅ビルと自由通路を一体的に整備することで、まちの一体化や踏切道の交通負荷の低減も図る。また、既存の道路を生かしたまま、小規模な街区を統合できるようにし、街区にとらわれずに大規模なビルの建築が可能になるなどとしている。
■四国地整が道路空間の有効活用検討
 四国地方整備局は立体道路制度のモデルケースの立案を含む「道路空間の有効活用に関する調査検討業務」を日本みち研究所(東京都江東区)に委託。課題整理のための事例収集の作業に入った。納期は2017年3月21日。道路空間の有効活用方策を検討するための基礎資料の作成が狙い。
 検討するのは▽立体道路制度をより一層有効活用するための新モデルケースの立案▽道路協力団体制度を活用した収益活動のモデルケースを立案するため、四国での制度活用上の課題抽出と、対応策の検討▽同団体制度と連携した観光周遊を促す方策―など。立体道路制度や道路占用制度の他、道路協力団体制度などを対象にした全国の活用事例を収集、整理し課題を探る。
 道路協力団体制度は道路清掃などを行うボランティア団体などを道路管理者が指定し、同団体がボランティア活動による維持管理に協力する見返りに道路占用許可の手続きを簡略化するもの。同制度の運用により、収益活動を道路維持管理に充てる場合に原資が生み出しやすくなる。
 四国地整では立体道路制度や道路協力団体制度も含め、管内でのモデル箇所の選定、新モデルケースの立案も視野に情報収集を急ぐ。

提供:建通新聞社