トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建設新聞社(長崎)
2016/09/28

【佐賀】九州初直轄診断の呼子大橋 修繕対策など協議 

修繕対策検討会が初会合
  本年度は主塔下部工の塩害・アルカリ骨材反応対策など

 昨年10月に九州初の直轄診断を実施した呼子大橋(唐津市)の修繕対策検討会(会長・日野伸一九州大学大学院工学研究院教授)の初会合が14日、唐津市呼子公民館で開かれた。2016年度から国直轄の修繕代行を実施するため開いたもので、これまでの調査結果や調査計画、修繕対策について協議した。1989年に完成した呼子大橋
 直轄診断や修繕代行事業は、国土交通省が地方公共団体への支援策の一つとして、緊急かつ高度な技術力を要する可能性が高い橋梁について道路メンテナンス技術集団を派遣するもの。昨年10月から今年2月にかけて九州初となる直轄診断を呼子大橋で行った。
 呼子大橋は、呼子町殿ノ浦と加部島を結ぶ橋長728bの橋梁で1989年に完成した。県が整備し、現在は唐津市が管理している。唐津市は、呼子大橋がプレストレスト・コンクリート斜張橋で診断には高度な専門技術が必要なため、直轄診断を国土交通省に要請した。
 診断の結果、風雨によるケーブルの振動現象により、制振ワイヤ装置の破断が過去にくり返し発生し、ケーブル振動による上部構造への影響が懸念されるひび割れが、主桁内面で確認された。下部構造は、コンクリート中の塩化物含有量が腐食発錆限界濃度を超え、ひび割れも発生しており、このひび割れは今後も進行すると考えられることが分かった。唐津市は、これらの診断結果を受け、国土交通省に修繕代行を依頼した。
 検討会では、斜材ケーブルの振動現象とひびわれの発生原因の関連性を究明するほか、斜材ケーブル振動対策の見直しや効果的な修繕対策について協議する。来年2月までに3回開催し、報告書をまとめる。今後、ケーブルやひびわれの現地計測を行い、11月下旬に開く第2回検討会に報告。並行して風洞実験を実施する。
 修繕工事については今年度、耐風対策と関連しないと考えられる、主塔下部工の塩害、アルカリ骨材反応対策補修工事を行う。斜材ケーブル振動対策補修工事、主塔上部、桁補修工事については検討会の結果を受け実施する。
 この日の会合では、これまでの調査結果や今年度調査計画について報告が行われた。委員からは、詳細な調査結果や建設時のデータなどを次回検討会までに提出することを求める意見や現地計測の進め方に対する意見が出た。呼子大橋修繕対策検討会の様子










ksrogo