徳島県は、生鮮食料品等の適正かつ健全な市場取引を確保するため、県内の卸売市場の適正な配置や施設整備の高度化などについて定める「県卸売市場整備計画案」(第10次)をまとめた。10月24日までパブリックコメントの手続きを行っており、年内をめどに計画を策定する。
今年1月に国の第10次卸売市場整備基本方針が策定されたことを受け、県でも現行計画を見直し、実情に即した新計画を策定することにした。計画期間は2016〜20年度までの5年間。新計画では、経営戦略の確立や生産者・産地との連携による川下ニーズへの対応強化、品質管理の高度化、電子商取引の推進−を新たな視点として盛り込み、市場ごとに経営戦略・多様なサービスに応じた整備・配置を推進する他、コールドチェーンに対応した適切な温度管理の徹底にも配慮する。
また、品質管理の高度化に向け、HACCP(ハサップ)の考え方を取り入れた品質管理を推進する。パブリックコメントの実施後は、11月開催予定の県卸売市場審議会で意見を反映し、計画を策定することにしている。
計画案のうち、卸売市場の配置計画(既設の県内卸売市場は中央卸売市場1カ所、地方卸売市場9カ所で構成)では、整備方針に整備予定年度など具体的な内容は盛り込まれていないが、市場ごとに整備計画(整備方針)を示している。
徳島中央卸売市場については、県の生鮮食料品の流通拠点として、中央卸売市場整備計画に基づき、交通体系や物流システムの変化に対応した機能を有する施設について年次的に整備充実を図る。
鳴門市公設地方卸売市場については、鳴門市とその周辺の流通拠点となるよう施設の充実整備を促進する。小松島市、阿南市の地方卸売市場については、当面それぞれの施設の充実整備を図りつつ、県南部における総合的な市場整備(一体的な集合または統合整備)を促進する。
吉野川市、美馬市、三好市の地方卸売市場については、当面はそれぞれの施設の充実整備を図りつつ、経営安定を図るため、互いの連携強化(一体的な集合または統合整備の促進)を促していく。徳島市内にある2カ所の花き地方卸売市場については、設備の近代化・投資の効率化、量販店などへの対応を強化するため、施設の充実整備を促進することにしている。
提供:建通新聞社