建設新聞社
2016/09/27
【東北・福島】パシフィックコンに委託/イノベ構想ロボットテストフィールドの全体基本設計
福島県は、福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想の主要施策として、南相馬市などに整備するロボットテストフィールドの全体基本設計等業務を委託するため、公募型プロポーザル手続きを進めた結果、パシフィックコンサルタンツを特定し1億6900万円で契約した。
プロポーザルには、同社のほか日本工営・日立建設設計JV、国際航業・梓設計JVを含めた3者が参加した。7月28日の一次審査(書類審査)でパシフィックコンサルタンツと日本工営・日立建設設計JVを選定し、8月5日の2次審査(ヒアリング)などを経て委託候補者を特定。候補者とは見積り合わせ(9月1日)等の手続き行い、26日付けで審査・契約結果を公表した。予定価格は1億6981万9000円だった。
県では、浜通り地方の産業再生を目的としたイノベーション・コースト構想に基づき、新技術や新産業を創出するためロボット産業の集積に取り組んでいる。
その中核施設として整備するロボットテストフィールドは、災害対応やインフラ点検での活用が期待される無人航空機、水陸ロボット等の実証試験および、ロボット基準規格の策定や製品認証、さらには国内外の研究者による基礎的・基盤的研究を行う施設。
メーンフィールドは、南相馬市が復興工業団地として造成工事を進めている南相馬市原町区萱浜地内の約50f。災害や老朽化を模擬したトンネル、橋梁、水没模擬市街地などの特殊構造物のほか、国際産学官共同利用施設等の研究施設を整備する。このほか、サブ施設として、南側に約10`b離れた浪江町棚塩地区に約600bの滑走路を設置する。テストフィールドの全体事業費は約135億円を見込み、2017年度後半の着工を目指している。
今回委託した全体基本設計は、主に災害を模擬したインフラ等の設計がメーンで、設計工期は17年5月31日。実施設計の委託方法は現時点で未定となっている。
設計対象となるエリア別主要施設は、▽無人航空機エリア=試験飛行用グラウンド(80b×150b)、緊急着陸試験用滑走路(20b×500b)、離発着試験用滑走路(20b×500b)、ヘリポート(50b×50b芝)▽陸上ロボットエリア=崩壊・老朽化トンネル(W10b×L50b×H10b)、老朽化橋梁(W10b×L50b×H10b)、可変式多機能災害模擬施設(損壊道路など400b×400b)、同(損壊・倒壊等を模擬したビル2棟、住宅4棟など)、同(損壊・化学物質漏洩等を模擬したプラント10b×10bなど)▽水上・水中ロボットエリア=水没模擬市街地(道路・プレハブ住宅等の冠水域を模擬した貯水槽50b×50b×D1b、ため池含む)、屋内角型水槽(ダム・河川・港湾等の環境を模擬した20b×20b×D10bの大水槽など)。
なお、研究開発等施設(延べ約2900平方b)と国際産学官共同利用施設(3棟延べ3780平方b)の設計については、別途プロポーザル手続きを進めており、10月中旬ごろの審査結果公表を予定している。
提供:建設新聞社