北陸農政局は、国営施設応急対策事業の早月川地区で計画する幹線水路トンネルの補修工事について、2018年度の着工に向けて、来年度予算で対策工法等の検討に必要な事業費を要求している。
国営「早月川地区」の基幹施設である幹線水路トンネル(滑川市蓑輪、大浦、室山地内)は、建設から約60年が経過。老朽化の進行による劣化から、覆工コンクリートのひび割れ、背面からの地下水の流出、背面の空洞化と地山のゆるみなどが確認されている。
落盤などによる農業用水の通水不能が起きれば、滑川市や富山市、魚津市、上市町の受益面積2800ヘクタールの地域農業に与える影響は計り知れず、施設の更新整備が急務となっている。
整備構想案によると、幹線水路トンネルの健全性を保つため、部分対策と全体対策を行う。
具体的には、部分対策710メートル(530メートル+180メートル)として、(1)背面の裏込注入(空洞を裏込材の注入により充填)(2)覆工の補修(覆工を高強度材料で内巻きして補修)(3)背面の地下水の水抜き(水抜き穴を設置)|に取り組む。
また、全体対策では、2477メートルを対象に、磨耗した床面を高強度材料で上張りし、補修していく計画だ。
工期は、18年度から23年度までの6カ年を予定している。
今事業に係る主な業務の担当は、施設機能診断および原因究明等調査検討が国土開発センター、事業計画検討が三祐コンサルタンツ。
なお、8月2日には、早月川地区国営土地改良事業推進協議会の設立総会が開かれ、幹線水路トンネルの対策工事について、18年度からの事業着手を要望することが決議されている。