県総務部市町村課は23日、2015年度市町村普通会計決算・健全化判断比率の概要を公表した。県内54市町村の15年度普通会計の決算規模は、地方消費税交付金の増などにより歳入が2兆2455億600万円(前年度比2・9%増)、保育に係る扶助費の増などにより歳出が2兆1422億3900万円(同2・1%増)で、歳入・歳出とも7年連続で増加し、過去最高を更新した。
経常収支比率は前年度に比べ2・1ポイント減の88・5%となり、2年ぶりに減少して財政構造の弾力性に改善が見られた。また、翌年度に繰り越して使用する財源を差し引いた実質収支は、前年度に比べ15・8%増の739億3500万円となり、9年連続して県内全市町村で黒字となった。
歳出は、義務的経費が1兆461億1400万円で、前年度比1・3%増と3年連続で増加した一方、投資的経費は、小中学校の耐震改修工事などの公共施設整備に係る普通建設事業費の減などにより2745億2900万円で同3・4%減と5年ぶりに減少した。
普通建設事業費の内訳は、補助事業が998億4400万円で同12・9%減、単独事業が1614億4600万円で同4・2%増。ほかに災害復旧費が90億9100万円で同0・5%増。
歳出のうち、東日本大震災関係は対前年度比13・3%減の554億5000万円で、このうち普通建設事業費は同1・5%増の308億1700万円。
歳入は、市町村税が個人所得の増加などにより3年連続で増加したほか、地方消費税交付金が消費税増税の影響により大幅に増加。地方交付税も4年ぶりに増加した。一方で、繰入金は財政調整基金や公共施設整備に係る基金からの繰入金の減少などにより、地方債は臨時財政対策債の発行可能額の減少などにより、それぞれ2年ぶりに減少した。
15年度末の債務総額は2兆5484億3400万円で、前年度末に対し3・6%(893億円)の増加となった。また、15年度末の積立金現在高は4054億7800万円で、前年度末に対し6・3%(240億8600万円)の増加となった。債務総額から積立金現在高を減じた将来の財政負担は2兆1429億5600万円で、前年度末に対し3・1%(654億700万円)増加し、歳出総額の1・00倍と依然として高い水準にある。
健全化判断比率は、すべての市町村でいずれの指標も早期健全化基準を下回った。いずれの市町村も赤字の市町村はなく、実質公債費率は早期健全化基準の25%を下回り、将来負担率も早期健全化基準である350%(政令市は400%)を上回る団体はなかった。