大阪市は、うめきた2期地区暫定利用区域で、帯水層蓄熱利用の実証事業に着手する。10月に熱源井の掘削工事とヒートポンプの設置工事をスタートさせ、2017年1月から実証運転を開始する。市によると、帯水層蓄熱利用に関する大規模な実証事業は全国初の試みとなる。
帯水層蓄熱利用は、地下水を多く含む地層(帯水層)から熱エネルギーを採り出して冷暖房に活用する技術。省エネルギー、CO2排出削減などの対策として注目が集まっている。
大阪市域は熱需要の高い建物が集中する一方で、地下は豊かな帯水層に恵まれている。市は「地域特性に即した未利用エネルギー」として大きな期待を寄せる。
今回の実証事業は、「環境省CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業」の採択を受け、産学官連携で実施する。うめきた2期地区の暫定利用区域に実験用の熱源井とヒートポンプを整備。2本1組の井戸で大容量の地下水を揚水・環水して熱だけを採り出し、17年度末までの予定でデータを収集する。
市では、今回の実証データを基に、揚水に関する規制緩和を関係省庁に働き掛け、将来的には延べ床面積1万平方bクラスのビルへの実用化を目指す。
実証事業の実施者は、▽大阪市▽大阪市立大学▽岡山大学▽関西電力▽三菱重工業▽ニュージェック▽環境総合テクノス▽森川鑿泉工業所―。
提供:建通新聞社