香川県道路啓開計画策定協議会(会長・葛西剛県土木部長)の初会合(写真)が14日、県庁内で開かれ、南海トラフ地震など大規模災害が発生した場合に、速やかに道路啓開を行う計画作成に当たっての検討項目や、今後の進め方について協議した。協議会は四国地方整備局、陸上自衛隊善通寺駐屯地などの国の機関や、香川県、県警察本部、県消防長会事務局の他、高速道路会社、県建設業協会などで構成。12月下旬に開催予定の第2回協議会で道路啓開計画の素案を示し、年度内に啓開計画を策定する。同時に、今後のスパイラルアップに向けた方針についても確認する考えだ。
発生が懸念される南海トラフ地震などの大規模災害時に、救命・応急活動を発災直後から迅速かつ効率的に行うためには、道路上のがれき処理などを行い、緊急通行車両などの通行を確保する「道路啓開」の速やかな実施が鍵とされる。
協議会では、東日本大震災で東北地方整備局が行った道路啓開「くしの歯型」救援ルートの設定、内閣府の南海トラフ地震に係る具体計画の「緊急輸送ルート」や、今年3月に四国地方整備局が作成した「四国広域道路啓開計画(四国おうぎ(扇)作戦)」の優先的に啓開する「進出ルート」を含む、県内の応急復旧のための道路啓開を対象に置いた。
また、道路啓開と救援活動を実施する際に必要な拠点、ルートの具体の啓開方法や各機関の役割と連携方法を計画に盛る。
より具体的で実効性のある道路啓開計画を作成するため、南海トラフの最大クラスの地震と津波による被害が発生した場合を想定し道路啓開の作業量を算出。県内保有人員・資機材を考慮しつつ実行可能な優先啓開ルートを設定する。「四国広域道路啓開計画」を踏襲し、発災後24時間で広域ルートをおおむね啓開。72時間で被害が甚大な被災地内ルートをおおむね啓開することに目標に置いている。
道路管理者間で啓開実施者、機械、物資の調達調整の他、各機関の実施事項をタイムラインで示した地域・発災時間別に作成。緊急輸送道路を対象に道路啓開実施者の割り付け図の作成を目指す。
委員からは「県内9カ所ある災害拠点病院への啓開ルートの確立」や「啓開実施者の割り付け図は実効性ある計画にする必要がある」などと指摘する意見もあった。協議会では計画素案を基に11月ごろから啓開実施者の建設業協会と調整を開始する予定。
提供:建通新聞社