日本工業経済新聞社(山梨)
2016/09/15
【山梨】削減目標面積は23% 中央市が公共施設管理計画案まとめる
中央市は、公共施設等総合管理計画の素案をまとめ、パブリックコメントによる意見募集を行っている。学校教育系が4割を占める建物施設では削減目標面積に23%を掲げ、豊富小学校は建て替えを予定。道路は、ストック総点検に基づく舗装修繕を実施していくとしている。
素案によると、公共施設の現況としては、建物の総面積は11万4825uに及ぶ。学校教育系(4万6035u)が40・1%にあたり、公営住宅(1万3420u)、行政系(1万836u)、スポーツ・レクリエーション系(1万764u)、子育て支援(7808u)と続く。
これらの将来的更新費用としては今後40年間で約456億円が試算されており、このうち、学校教育系がおよそ3分の1を占める。
一方のインフラ施設は、自転車歩行者道も含めた道路の総延長は43万2446m。橋梁や上下水道施設を含めた更新には同じく約826億円が見込まれている。
建物ごとにまとめられたマネジメント基本方針では、面積規模が最も大きい学校教育系施設は、児童生徒数の推移を見ながらの学区再編を検討。20年ごとの大規模改修を基本として長寿命化を図る考え。築後50年以上が経過した豊富小学校は建て替えを、給食調理場は炊き出しの機能を有したセンター方式としている。
3カ所の図書館や豊富郷土資料館は長寿命化への修繕計画を練り、田富総合会館は継続利用を検討する方針。スポーツ・レクリエーション施設のなかでは、内容が重複するプールや弓道場、入浴施設はあり方や適正配置を探り、老朽化が見られる農業者トレーニング研修センターは、ほかの施設への機能集約の方向が打ち出されている。
計画期間は2047年度までの32年間。建物施設は複合化や廃止により総量の適正化を図る考えで、増床や新設の場合も、他施設を廃止するなど調整し総延べ面積23%の削減を目標としている。
同市は、計画の取り組み方法については、建物とインフラそれぞれの作業部会からなる検討委員会で計画策定と使用調整を行い、財政・まちづくり部門と意見を交わしたうえで、庁議にて審議・管理してマネジメントを遂行する。また、民間の技術や資金などの活用も検討する方針で、大きな規模が想定されるPFIは広域化とのセットで考えるとしている。
なお、パブリックコメントの意見提出は21日を期限として、田富庁舎管財課などを窓口に受け付けている。
【表:主な建物施設のマネジメント方針】