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建通新聞社
2016/09/15

【大阪】西大阪津波対策 2案を中心に対策工検討

南海トラフ巨大地震に備えた西大阪地区の津波対策について、安治川水門など3大水門を新設する案と、現水門下流に減勢施設を設置する案の2案を中心に検討が進められることになった。大阪府河川構造物等審議会で、5つの対策工法案から絞り込んだ。
 同審議会では、「レベル(L)1津波は洪水や高潮と同様に計画的に防御すべき外力で、浸水氾濫を防止できる施設計画が必要」としている。これまで、安治川・尻無川・木津川の3大水門の改修や新設、堤防設置など5つの対策案についてシミュレーション検証を実施。被害軽減効果やコスト面から「3大水門新設工」と「水門前減勢工」の2案が有力とした。
 シミュレーション段階の工法案によると、3大水門新設工では、現位置でL1津波に対応するローラゲート式水門を新設する。費用対効果が高く、動力停止時でも自重降下による閉鎖が可能としている。概算工事費は約320億円。
 水門前減勢工は、既存の3大水門が津波で損傷しないよう、下流側に可動式防波堤などの減勢施設を設置する。動力と操作は不要だが、水中施設のため維持管理費用が膨らむ可能性がある。概算工事費は360億円(施設の高さなどにより増減)。
 この他にシミュレーションした対策案は、▽3大水門を改修▽港口2カ所に長大スパンの水門を新設▽減勢工として防波堤を設置―の3案だった。
 同審議会では今後、コストや費用対効果について、さらに具体的な検証を進める方針だ。

提供:建通新聞社