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北陸工業新聞社
2016/09/14

【石川】美術館仕様、延べ2500平方メートル程度/東京国立工芸館の移転施設/−県−/旧陸軍2施設活用建設当時の姿再現

 石川県は、金沢市と協力して兼六園周辺文化の森(同市出羽町、広坂)に整備する「東京国立近代美術館工芸館」の移転施設について、建物内部はRC造の美術館仕様、延べ床面積は現工芸館と同規模程度を想定している。加えて、明治期に建てられた木造洋風建築の旧陸軍第九師団司令部庁舎及び旧陸軍金沢偕行社(ともに国登録有形文化財に指定)を外観に活用するほか、建設当時の姿も再現する方針であり、今後の基本設計のなかで建設規模や機能等を詰めていく構えだ。
 県によると、貴重な美術品(近現代工芸ほか)をしっかり管理、展示できるよう、建物内部はRC造の美術館仕様とし、延べ床面積は2500平方メートル程度を見込む。外観には旧陸軍第九師団司令部庁舎(W造2階建て、延べ床面積549平方メートル/1898(明治31)年築)、旧陸軍金沢偕行社(同、延べ床面積544平方メートル/1909(明治42)年築)を活用するほか、過去に撤去された司令部庁舎の両翼部分や、解体撤去された金沢偕行社の講堂部分を復元。両施設建設時の姿を再現した建物を整備し、工芸館の移転施設に充てる。
 建設場所は県立美術館といしかわ赤レンガミュージアムの間の敷地。開館時期は2020年を目途としている。
 一方、整備費用は概算で30億から35億円程度を見込む。費用負担割合は県と金沢市で半々とするが、県有施設である司令部庁舎、金沢偕行社の外観活用経費は県が負担するため、実質的には県が6割、市が4割となる。
 今年度9月補正予算案に基本設計費2300万円が盛り込まれ、県では市側と連携して基本設計業務を進めていく。
 なお、現工芸館(東京都千代田区)は明治洋風煉瓦造建築「旧近衛師団司令部庁舎」の保存修理を施して美術館仕様となり、1977(昭和52)年11月に開館した。延べ床面積は機械室を含め約2500平方メートル。

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