全国建設産業団体連合会(渡邉勇雄会長)は12日、2016年度全国建産連会長会議を金沢市のホテル日航金沢で開催した。地元石川をはじめ各府県建産連会長、国土交通省本省および北陸地方整備局、国会議員、関係団体など約120名が出席。各府県建産連が公共事業予算の確保や施工時期の平準化などの議題を提案し、国交省から所見が述べられた。
会議ではまず、熊本地震で被災した熊本県建産連の橋口光徳会長、大分県建産連の利光正臣会長に渡邉会長から義援金が贈呈された。続いて、開催県から吉光武志石川県建産連会長が「建設産業界を取り巻く環境は、4年連続で公共事業予算の下げ止まりがなされたものの、地方においては昨年から受注量の減少が顕著になり、厳しい状況下に置かれている。今般の第二次補正予算では21世紀型インフラの整備、ストック効果の高い事業を重点的に行うとのことだが、我々地方の中小業者が災害復旧や除雪などで地域を守り、持続的な経営ができるよう、地域密着型の公共事業予算の確保が必要だ」とあいさつ。渡邉会長が「16年度第二次補正予算ではインフラ整備などが盛り込まれており、我々建設産業としても大いに期待している。ただ、地方への配分に関しては、大都市と地方との地域格差、企業格差が顕在しており、地方の建設産業がますます疲弊することが危惧されている。安定した予算の確保に加え、事業量の減少が著しい地方への傾斜配分を強くお願いしたい」とあいさつした。この後、来賓代表の海堀安喜国交省建設流通政策審議官らが祝辞を述べた。
議事に移り、各府県建産連から出された提案議題に対して国交省が所見の述べる形で進められた。建産連側から、公共工事の地域間格差是正と補正予算の地方への重点的な配分、公共工事の継続した切れ目のない発注、改正品確法運用指針に基づいた発注関係事務の適切な実施、地域中小建設業者への十分な受注機会確保、標準見積書による法定福利費の適切な確保に向けた指針の作成や現状に合った予定価格の設定、施工時期の平準化、週休2日制導入に当たっての工期の延長およびそれに伴う現場管理費等の増額などが要望された。国交省側は、このうち継続発注について施工時期の平準化が極めて重要であるとし、早期執行のためのゼロ国債の活用などを地方公共団体にまで広げていく考えを示した。また、週休2日制導入の課題では、発注者の取り組みとして適切な工期の設定や工期の管理が必要とした上で、現在行っている試行工事の分析を実施しながら適切な対応を進めていくと答えた。
最後に、社会資本整備推進のため17年度当初予算の大幅な増額確保などを関係機関に要望していくことを決議した。
議事に先立ち、明翫章宏氏(石川県建産連)ら3名に対する全国建産連会長表彰も行われた。