日本工業経済新聞社(群馬)
2016/09/12
【群馬】県県土整備部と群建協が総括意見交換会
県県土整備部と群馬県建設業協会(青柳剛会長)の総括意見交換会が8日、前橋市の群馬建設会館で開かれた。5〜6月の県と協会各支部による意見交換会で出された要望に対し、県が回答した。長年の懸案である残土処分場の確保をめぐっては、県内8市町村から候補地が挙げられ、ストックヤードもしくは残土処分場としての可否を検討していくことが示された。
冒頭、青柳会長は「事業量がかなり厳しい状況だということが、あちこちから聞こえている。直接顔を合わせた意見交換会はすごく大事だと思う」とあいさつ。上原幸彦県県土整備部長は先日の大雨による土砂流出の迅速な対応や「ぐんケン見張るくん」によるデータ提供について謝意を表し「各支部での意見交換会で、ことしは新たに建設業を取り巻く諸課題の解決に向け、政策的な議論をさせていただいた。引き続き、より良いパートナーシップを図りながら県土整備行政を推進したい」と呼び掛けた。
残土処分場の確保について、協会は処分場の新設や現存処分場延命、処分費の予算計上など中長期的な対応を要望。これを受けて県は、35市町村を対象に残土搬入場所の候補地調査を実施。前橋市、高崎市、太田市、神流町、下仁田町、みなかみ町、明和町、嬬恋村の8市町村から候補地について回答を得たという。今後、該当する土木事務所がストックヤードもしくは残土処分場としての可否を検討していく。上原部長は「特定課題だと考えている。本年度中に解決したい」と意気込んだ。
i-Constructionの導入に関しては協会が「県内の建設業者にとって急な対応は困難。導入の際には施工者側の意見を十分確認していただきたい」と要請。これに対し、県は「国が進めているICT技術を活用した設計や施工は、県が発注する工事の施工規模や条件になじまないので、直ちに導入するのは困難だと考えている。ICT技術は測量、設計、施工の各段階で試行し、協会の意見も聞きながら導入が可能な設計や工事について検討したい」とした。
協会側からの要望は◇公共工事予算確保◇除雪◇入札◇工事現場関係◇若手技術者の確保◇その他◇個別事業等−に大別される。個別事業等を除く要望項目数は計40項目に及ぶ。このうち、すでに対応しているものが9項目、改善策を実施または策定するものが12項目、改善・見直しに向けて今後検討予定のものが11項目、現行通りとするものが8項目だった。