愛媛県は、大規模災害に備え県独自の防災・減災対策を積極的に盛り込んだ一般会計9月補正予算案107億0690万円をまとめ、12日から始まる9月定例議会に上程する他、岩城橋(上島町)の橋梁本体工に着手するため、債務負担行為として114億円を限度とする予算措置も上程する。会期は10月6日。当初からの累計は6618億1691万円となった。
補正では、南海トラフ地震や台風、集中豪雨などに備え、県独自の防災・減災対策を積極的に推進するため、道路や河川、砂防施設の整備など緊急に行うとともに、熊本地震の課題を含めた計画策定などに44億7244万円を計上している。これにより、県民の安全・安心確保対策の当初予算と合わせた予算額は、2015年9月補正後より30億円増大し、199億円となった。
追加となった県民の安全・安心確保対策の主な内訳は、県管理道路の改築などを行う地震防災関連道路緊急整備事業費(68カ所)に13億3000万円。橋梁補修や路面補強などを行う道路防災・減災対策事業費(135カ所)に11億7000万円。
地震などによる大規模災害に備え、浸水被害の発生が予想される災害危険箇所の護岸改修や樋門改良などを行う河川地震防災強化対策事業費(72カ所)に3億4150万円。河川堤防の危険箇所の堤防強化などの対策を行う河川堤防強化緊急対策事業費(2河川)に1億0700万円。河川の治水機能を向上させるため、土砂の堆積が著しい箇所の河川掘削などを行う河川防災緊急対策事業費(90カ所)に2億5000万円。
津波による浸水被害を防止するため護岸補強などを行う海岸施設防災・減災対策事業費(11カ所)に1億5800万円。
避難や緊急物資の輸送などに際し、機能を強化させることが必要な港湾施設改良などの港湾施設防災・減災対策事業費(21カ所)に2億2200万円。
市町が行う崖崩れ防災対策の補助(45カ所)に2億6350万円。地震や集中豪雨などによる災害に備え、緊急的に対策が必要な砂防施設の機能強化を行う砂防施設防災・減災対策事業費(61カ所)に6億0800万円。
熊本地震の課題を踏まえ、被災時に迅速な応急復旧を行うため、応急復旧工法の標準化や使用する工事材料の種類・数量、構造計算などのガイドライン策定に983万円。円滑な応急仮設住宅建設のための県版標準設計やコミュニティー形成などを考慮した配置計画などのガイドライン策定に522万円。救援ルートの早期確保のため啓開目標時間や路線ごとの啓開担当会社の設定などに739万円。
他、岩城橋(上島町岩城〜生名)の着工に向け債務負担行為114億円(限度額)を設定した。橋長735b、幅員7・5bの5径間連続鋼・コンクリート混合斜張橋。工期は17年3月〜22年2月。
提供:建通新聞社