公益社団法人福井県下水道管路維持協会(酒井典康会長会長)は6日、特別セミナー「災害時のトイレ環境はどうあるべきか?」を開催し、県内の行政防災関係者ら約60人が参加し、大型地震発生直後から避難所生活を余儀なくされる深刻な状況下、質量ともに十分なトイレをどう確保するかについて考えた。福井市のアオッサで。
冒頭、酒井会長はかつて(68年前)の福井地震や最近の熊本地震などを踏まえ、被災地の実態から衛生的にも精神的にもトイレ環境の充足は必要不可欠と強調し挨拶。
講師にまねいた下水道用マンホール蓋の製造メーカー団体組織である日本グランドマンホール協会の竹中史朗広報室長は、災害用マンホールトイレと下水道BCP(被災時における人材や資機材の不足など制約条件を考慮した対応計画)をテーマに話しかけた。
このなかで竹中氏は、災害発生時は断水し、水洗トイレが使用できない大問題が発生する事例を多数紹介。その上でマンホールトイレの設置には女性や子ども、高齢者の視点から犯罪防止の観点、さらに自助・共助・公助が必要で「排泄問題は人間の尊厳にかかわる大問題。災害時の快適なトイレ設置は決して贅沢ではない。だからこそ普段の備えが大切」などと指摘した。また会場の後方には数分で組み立てられる簡易トイレの実物が展示され、関心を集めていた。
なおセミナーは福井県土木部河川課と福井県下水道協会が後援した。