静岡県は5日、静岡県公共事業生産性向上推進委員会の2016年度初会合を開き、15年度の取り組みを評価するとともに、16年度の取組方針を確認した。16年度は、重点項目に「担い手」を追加し、建設現場の生産性向上の施策を推進する。
16年度の取組方針は、建設技能者の人手不足が一層深刻になることを予想し、「担い手」確保を重点項目に追加。国土交通省で推進しているi−Constructionのトップランナー施策に沿った形で取り組みを展開する。新規施策として、▽情報化施工の推進▽ECI方式の活用検討▽適切な工期設定の徹底(翌債、繰越制度の活用)▽工事着手日選択型工事の試行(目標15件程度)▽ICTを活用した情報化施工に対応した施工管理・検査▽設計変更ガイドラインの改定・運用−を盛り込んだ。
また、現在推進している「ふじのくに公共事業生産性向上推進プログラム」が17年度までの期間となっていることから、17年度中に次期プログラムを策定することとした。このため、対象とする公共事業の範囲や生産性の定義を改めて見直し、目的や位置付けなどの基本方針を16年度下半期に決定する予定だ。
推進プログラムは14年度に策定し、22の具体的な施策を推進している。また、毎年度、取り組みの状況について推進委員会でフォローアップしている。
15年度の取組評価では、進捗(しんちょく)度評価で約9割の取り組みが「おおむね計画通り以上」に進み、コスト縮減は14年度を超える約21億円の縮減を達成した。コスト縮減では、特に新技術・新工法の活用件数が293件に増加し、縮減額も約7億7400万円と目立つものとなった。総合的には「全体として公共事業の生産性が向上した」と評価した。
提供:建通新聞社
(2016/9/7)
建通新聞社 静岡支社